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2022.02.28 16:00

環境先進マンション「BRANZ(ブランズ)」が目指す暮らし心地とは〜予防医学者・石川善樹と考える“誰もが自分らしく、生き生きと輝ける未来”

(左から)久保 章 東急不動産株式会社 執行役員 住宅事業ユニット 関西住宅事業本部長 / 石川 善樹 予防医学研究者・医学博士

人間の幸福感や充実感を表す「Well-being(ウェルビーイング)」が注目を浴びている。気候変動問題、それに続くコロナ禍の影響で従来の価値観は大きく揺らぎ、国内総生産(GDP)だけでは測れない豊かさと発展を探ろうと、社会の意識も加速し始めている。

その環境変化と立ち向かい、自らに変革を課した企業がある。1918年設立の田園都市株式会社に端を発し、以来、「挑戦するDNA」で社会課題を解決へ導いてきた「東急不動産ホールディングス」だ。2021年5月「長期ビジョン2030」を発表し、「WE ARE GREEN」をスローガンに、誰もが自分らしく、生き生きと輝ける未来をつくることを宣言した。

「ウェルビーイングな暮らし」と「持続可能な社会」の関係性とは。東急不動産 執行役員 住宅事業ユニット 関西住宅事業本部長の久保 章が、予防医学研究者・医学博士であり日本の主観的ウェルビーイング研究の第一人者である石川善樹とともに語り合った。


WE ARE GREEN、あらゆるステークホルダーと共に


久保 章
(以下、久保):長期ビジョンを発表した2021年というのは、コロナ禍がもたらした新様式、ワークスタイルの多様化、ソーシャルで環境意識の高い未来世代の台頭など、社会構造に大きな変化が見られた年だと言えるでしょう。私たち不動産事業者としても、この変化に対応するために、確かな価値基準とともに、グループが「今後向かうべき方向性」を明確に示す必要がありました。トップの決断の下、10年後の未来を見据え、「バックキャスト」の発想で長期ビジョンの策定を行ったのです。


石川 善樹(以下、石川):「WE ARE GREEN」にはどんな思いを込められたのですか。「グリーンの力」をキーワードにしたのはどんな理由があったのでしょうか。

久保:まずは、当社の強みが「環境への取り組み」であったことが挙げられます。環境ビジョンを策定したのが1998年。当時は「環境対応は費用がかかり、回収が難しいのではないか」という懸念も多かったのですが、積極的に都市緑化や生物多様性保存などの環境保全に取り組み、2019年には、事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブ「RE100」に不動産業としてはじめて加盟を果たしました。

コーポレートカラーがグリーンということで、心理的親和性も高かったですね。自然界を織りなす多彩なグリーンを従業員の多様性に重ね合わせ、あらゆるステークホルダーと共に、誰もが自分らしく、生き生きと輝ける未来を実現していく、という思いを込めています。当社ではこれまでお客様、グループ従業員、ビジネスパートナー、地域社会、株主・投資家をステークホルダーとしてきましたが、今回の長期ビジョン策定を機に「未来社会」をステークホルダーとして新たに追加しました。

石川:誰もが自分らしく、生き生きと輝ける未来を実現していく。その言葉からは「ウェルビーイング」が想起されますね。

久保:はい、「魅力あふれる多彩なライフスタイルの創造を通じて誰もが自分らしく、いきいきと輝ける未来の実現」、これを今回の長期ビジョンでは私たちが目指す価値創造として掲げています。そのためには「サステナブルな環境」と「ウェルビーイングな街と暮らし」をつくりながら、その上に個人の「多彩なライフスタイル」をつくる事が必要だと考えています。

石川:お話を聞いてちょっと感服しています。僕らの年代は、東急不動産というと渋谷のイメージが強すぎて、「環境」と言われても正直ピンとこなかったのですが、目先の採算のみにとらわれず、将来を信じて環境への投資を続けてこられた、その事実には重みが感じられますね。

久保:歴史的に見ても渋谷は東急の街ですし、現在も引き続き再開発に取り組み「まちづくりへの挑戦」に情熱を注ぎ込んでいます。私たちの原点は、1918年に渋沢栄一らが設立した田園都市株式会社という会社で、最初に手がけたのがイギリスの田園都市構想を礎にした田園調布です。当時、東京の都市化が進み人口流入が加速するなかで、住宅不足という課題に向き合い「都市と自然のよいところを併せもつような街づくり」を行った。そこから、社会課題と向き合いながら「挑戦するDNA」が生まれ、現在まで連綿と継承されています。

石川:なるほど。私も田園調布はよく行く機会があるのですが、樹木や花壇、池などを手入れしているのはおそらくボランティアの人だという気がするんですね。街の開発から100年以上経ちますが、開発当初から、将来を見越したハードづくりとソフトづくり、人づくりが脈々と受け継がれてきている、そのことをいつも実感しています。

これからの企業経営は、先ほど久保さんがおっしゃったように、すべてのステークホルダーのためにという視点と、未来社会という視点がとても重要になると思っています。つまり、「あらゆるステークホルダーがウェルビーイングになれるように配慮する」ということではないかと感じます。


石川 善樹 予防医学研究者・医学博士

ウェルビーイングが「ポジティブなレガシー」をつくる


久保
:そもそも石川さんとウェルビーイングの出会いは何だったのですか。

石川:1980年代初頭に父がハーバードに留学していてウェルビーイングの研究と実践をしていたので、物心ついた頃からなじみはありました。その後、私は予防医学という分野の研究者になったのですが、自身で研究をするよりも、チームをつくってみんなが研究しやすい環境とビジョンをつくるのが好きだと気づいて、いまは公益財団法人Well-being for Planet Earthの代表理事をしながら研究と実践の橋渡しをしています。

久保:ウェルビーイングの流れは速いですよね。一気にムーブメントになっている。

石川:そうですね、時代のキーワードというのは“同時多発的”にいろんな人が同じワードを使い始めて本当の意味での時代のキーワードになっていくものですが、ウェルビーイングはまさにそうですね。

話が若干長くなりますが、ウェルビーイングにいたるまでの歴史的な流れというのがありまして、人類が積極的・主体的に明るい未来を構想し始めたのは、実はかなり最近の話なんです。

最初にそれを指摘したのがシュンペーターという経済学者で、人類の未来の築き方にはグロースとデベロップメント、成長と発展がある、と定義しました。成長は量的な拡大、発展は質的な変換を意味し、社会にとっては車の両輪になります。その流れを受けて、1987年にブルントラントさんというノルウェーの元首相だった方がリーダーシップをとり、それまで重視されていたエコノミックグロースに、もうひとつ新しいコンセプトを加えようと提唱されたのが、サステナブルデベロップメントです。エコノミックグロースの負の側面であった環境破壊や人権侵害、格差拡大などを解消したい、という思いがそのネーミングにも込められています。

サステナブルデベロップメントのコンセプトは、「将来世代のニーズを損なうことなく、現代のニーズを満たすこと」。次世代ではなく、何世代までも続く“将来世代”という言葉が加わったことが重要点ですが、一方で、「負の遺産を残さない」というのが基本コンセプトのため、SDGsの開発目標にも、正の遺産というか、ポジティブなレガシーは項目として含まれていないんですね。

SDGsは2030年をゴールとし、31年からまた新しいグローバルアジェンダが始まります。これまで欠けていたポジティブなレガシーとしてウェルビーイングを検討しようというのが、いまの国際社会のコンセンサスになっていると思います。問題解決をしたその先にある、内面の豊かさを伴う成長と発展をみんなが模索し始めている。そう感じています。

久保:ウェルビーイングにはそういった歴史的背景があったのですね。量だけではなく質を重視しよう、さらにその質をもっと高めていこう、という世界的潮流を感じました。

石川:将来世代といったときに、日本語ではいちばん遠い子孫のことを雲孫(うんそん)というんですね。それは、自分から数えて子ども、孫、ひ孫、玄孫(やしゃご)といって、自分から八代後のことをいう。日本人は歴史的に、八世代先までをひとつのサイクルとして考えていたフシがあって、これって実は森とか自然のサイクルと合っているんじゃないかと考えています。

当時でいうと八代はだいたい二百年とか二百数十年でしょうか。木を植えて、百年二百年後に切り、伊勢神宮の御用材にするとか、自然のサイクルと人のサイクルをうまく合わせたら、たぶん雲孫という言葉になったのではないかと思います。

久保:自然と寄り添い生きてきた日本人の美しい知恵ですね。当社のマンションブランド「BRANZ」は、今後、「環境先進マンション」として展開していくのですが、そのCM撮影は蓼科の森の中で行いました。CMの冒頭に流れるコピーが「動物は自然とうまくやっている。人間はどうだろう」。これ、考えるとすごく奥が深いんですよね。

断熱性能を高めたり、再生可能エネルギーで脱炭素化を図ったり、技術革新により人間ができることはこれからも増えていくと思いますが、街づくりやリゾート開発などでは少なからず自然を拝借します。「ステークホルダーは地球」になることもあるわけで、いかに手をかけて豊かに育んでいくかは不動産事業に携わる者のテーマだと考えています。

石川:そう思います。現代は義務教育の影響も大きくて、例えば、昔は、男性は技術科でしたが、いまは男性も女性も家庭科を習いそのなかでSDGsの考え方が当たり前のように教えられています。もちろんそのなかには環境課題に対する教育も含まれています。だからもう、環境に配慮していない企業は選択肢にもならない。グリーンへの配慮は、地球のウェルビーイングに配慮しているかどうか、という話なんですね。


久保 章 東急不動産株式会社 執行役員 住宅事業ユニット 関西住宅事業本部長


サステナブルな街とつながる、環境先進マンション「BRANZ」


石川
:お話に挙がった環境先進マンション「BRANZ」は東急不動産の主力ブランドですが、どのように生まれ変わるのですか。

久保:これまではどちらかというと高級感や洗練感を軸にしていたのですが、それに加えて、環境調和やウェルビーイングという視点で、心から落ち着けるとか、くつろげるとか、住むことの充足感を見出せるような価値観にも軸を移していこうと考えています。

具体的には「グリーンを追求するデザイン」「持続可能な未来品質」「人生のパートナーとなるサポート」の3つのテーマで展開します。街とつながる自然の光や風を取り込む空間設計に加え、長期的にランニングコストを抑え、異常気象などによる災害などにも備えた品質をしっかり組み込んでいく。また入居後のアフターサービスやとコミュニケーションサポートにも注力していく考えです。今後建設する物件については、太陽光パネルの設置を標準化していき、建物内で消費される電力の一部を再生エネルギーで賄う予定です。

今後はマンションでもZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化が加速するでしょう。当社としては業界をリードするかたちで環境や持続的な社会への取組みを通じ貢献していきたいと考えています。

石川:ZEHは一軒家の話だと思っていたら、マンションの時代になったんですか。それ、すごいですね。床暖房と聞いただけで高級マンションだなと思っていたのですが、いまは付いていて当たり前。そういった意味では、ZEHもいずれ標準化になる。短いスパンで実現されていきそうですね。

久保:はい、いま、業界では2030年というのがひとつの節目になっています。私たちとしては、やはり原点である「街づくり」を真摯に推し進めていかなければなりません。ウェルビーイングな暮らしを実現していくためには、そこで暮らす街の環境自体もサステナブルな環境に整えていかなければならないと考えています。そうして人々の心に幸せが生まれ、時を経て住まいにも味わいが増していく。何十年、何百年先も、住む人はもちろん、そこに住まない人からも愛される、グリーンな住まいを目指していきたいと思っています。

石川:東急不動産として環境先進マンションをシンボリックに表すようなフラッグシップがあると、価値を実感できて魅力が伝わりやすいですよね。

久保:はい、総力を結集して開発を進めていきたいと考えています。



ウェルビーイングはどこから生まれてくるのか?


久保
:ウェルビーイングという文脈で住まいを考えたとき、ひとつの大きな課題となるのが、人々の価値観の多様化です。人それぞれ違うウェルビーイングがあり、例えばマンションの間取りや内装カラーのセレクトプラン等も用意しており、昔は3つでよかったのがいまはもっと選択肢を増やしてほしい人もいれば、逆に多すぎると選べないという意見もあったりしてジレンマを感じますね。

石川:おっしゃる通り、ウェルビーイングの形は一人ひとり違うのですが、その「要因」自体はそれほど多様性があるものではないんですね。その数少ない要因に働きかけることで多様なウェルビーイングに資する、というのがいまの考え方です。

ひとつは、「没頭している時間が大事」ということ。例えば観葉植物も、ただ置いてあるだけなのか、それを従業員や住民の方が自分たちで世話をするのかで、満足感や充実感は違ってきます。二つ目は、「人は予測不能なものの方が好き」ということ。完成されたものをポンと渡されるよりも、未完成なものを自分たちで手を加えながら変えていく方が好まれます。宮沢賢治の「永久の未完成これ完成なり」という言葉に象徴されるように。

久保:中古を買って、自分たちで「箱」をライフスタイルに合わせてカスタマイズしていく、そういう嗜好が近年すごく強くなっているのも、それを裏付けていますね。

石川:この傾向は若い世代になるほど顕著で、10代と20代でも違いますね。20代以降は、YouTubeやNetflixなど自分が「消費」するアプリをスマホに入れていますが、10代になると、ほとんどが自分で編集してつくるアプリを入れているそうです。自分で試行錯誤する過程を楽しむというのが、ウェルビーイングになりやすい。その傾向は今後も続くと思っています。

そして極めて重要なのが「選択肢があり、その中から自己決定できる」ということ。最近はオフィスもABW(「Activity Based Working」 /「時間」と「場所」を自由に選択できる働き方のこと)が好まれ、「働く場所」の選択肢があって選べるという状態にするケースが増えています。

最後に、「移動とウェルビーイング」について。住まいにおけるウェルビーイングは、住まいだけで完結するのではなく、先ほど久保さんが話されていたように、街や地域との連続性のなかで考えることが大事だと僕は感じます。その空間や街の中に移動したくなる場所がたくさんあるほうがウェルビーイングは高まります。なので、「移動したくなる」仕掛けもあったほうがいい。そのほうがきっと人はワクワクして楽しいはずですから。

久保:ウェルビーイングに関する多様な知見を享受することができ、たいへん充実した時間でした。若者世代を筆頭に、今後ますます人々の価値観は多様化していくとは思いますが、デジタル技術も活用しつつ、一人ひとりのウェルビーイングな暮らしに資する「環境」を創造し、未来世代、そして地球も含めたあらゆるステークホルダーと共に、新しい持続可能な社会の構築に貢献していきます。石川さん、本日はありがとうございました。

石川:東急不動産さんが100年にわたって受け継がれた環境への思いと、ウェルビーイングとの融合によって、人々と社会が豊かに発展していく、そんな未来が見えた気がしました。今後の展開に期待しています。


BRANZ(ブランズ)
https://sumai.tokyu-land.co.jp/concept/


石川 善樹◎予防医学研究者・医学博士。1981年、広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。公益財団法人Wellbeing for planet Earth代表理事。「人がよく生きる(Good Life)とは何か」をテーマとして、企業や大学と学際的研究を行う。専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、概念進化論など。近著は、『フルライフ』(NewsPicks Publishing)、『考え続ける力』(ちくま新書)、『むかしむかしあるところにウェルビーイングがありました 日本文化から読み解く幸せのカタチ』(KADOKAWA)など。

久保 章◎東急不動産株式会社 執行役員 住宅事業ユニット 関西住宅事業本部長。1967年、東京都生まれ。慶應義塾大学 理工学部管理工学科卒業。1991年、東急不動産入社。入社後、住宅開発・製造・販売業務など住宅関連の業務に従事した後、経営企画部に在籍しホールディングス化やM&Aなどを担当。2020年より現職である関西住宅事業の担当役員を務める。


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