ビジネス

2022.02.18 13:00

世界が舞台に! 明るい未来を生み出す、スタートアップ・エコシステム進化論



鈴木 健◎スマートニュース代表取締役会長兼社長 CEO(最高経営責任者)。慶應義塾大学理工学部物理学科卒業、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。2012年にスマートニュースを、取締役COO(最高執行責任者)兼エンジニアの浜本階生と共同創業。14年にSmartNews International Inc,を設立、President就任。19年6月より単独CEO体制になり現職。著書に『なめらかな社会とその敵』がある。

今回のラウンドでは、海外から米プリンスビル・キャピタル、米ウッドライン・パートナーズ、シンガポールのACAインベストメンツなどが参加。国内では、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、任天堂・山内溥元社長の遺産などを運用するヤマウチ・ナンバーテン・ファミリーオフィスなどが参加。米国投資家を含めた大型調達は、米国での事業成長が客観的に評価されたことを意味している。

同社は今回調達した資金で、「米国での成長を加速させる」という。この成長への起業家としての原動力とは何か──。

「創業時からグローバル展開を考えて挑戦してきたので、米国でしっかりとプレゼンスを高めていくことが大事だ。その原動力は、やはりミッションを実現したいという気持ちが強い」(鈴木)

グロービス・キャピタル・パートナーズ代表パートナーの今野穣は「国家レベルの課題に向き合っているか。それがスタートアップのサステナビリティ、スケーラビリティにつながる」と話す。グローバルの資金、市場、人材へのアクセスが一気に近づくなかで、「カテゴリーキラー」であることの重要性もあげる。

「気候変動」は世界でも起きている。CBインサイツによると、世界のユニコーンは832社(21年9月時点)。21年だけでも354社が仲間入りし、22年内にも1000社を超えると予測される。デカコーンも38社にのぼっている。日本でも、ユニコーンの増加は続き、10社にのぼる。

「日本でも、社会のなかでスタートアップが『メインストリーム化』してきた」(WiLパートナー・久保田雅也)。世界基準の目をもつクロスオーバー投資家、海外機関投資家の参入、それに伴う資金調達の大型化、それを実現させるグローバルな視点と実力をもつ経営チーム、事業成長のスピード、組織・カルチャー構築──。

世界が主な舞台となった生態系の変化のなかで生まれた、「スタートアップ新時代」のリーダーたちがその主役だ。幅広い産業・事業領域で展開する起業家ランキングTOP20の企業をはじめとしたスタートアップたちがいま描いている「新しい世界」が実現するのもそう遠くはないだろう。ようこそ、日本のスタートアップがつくる「明るい未来」へ。

文=山本智之 イラスト=Kouzou Sakai 写真=ヤン・ブース

この記事は 「Forbes JAPAN No.089 2022年1月号(2021/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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