ライフスタイル

2022.02.26 10:00

時代を読む、ストーリーのあるホテルNo.15 「Kimpton Shinjuku Tokyo」

ホテルの前景、メインエントランスの趣もどこかNYの薫りする個性派。

男女を問わず、社会の最前線で活躍するエグゼクティブたちは、魅力溢れる日本のホテルをどのようにお使いだろう。

せめて月に一度、可能なら二度でも三度でも、誰にも邪魔されず、リモートワークでも、寛ぎでも、遊びでも、自分のために滞在してみるといい。

日本のホテルは旅館の歴史と相俟って、伝統的かと思えば西洋のホテルのごとくスタイリッシュに最新鋭設備を纏う、東西融合の技や感性はピカ一だ。

もてなしも、デザインも、世界レベルへと進化を遂げている。

まずは週末、金曜日の夜にチェックイン、ゆったりと日曜日が終わるまで、我儘な時を満喫するのが大人のホテルの流儀である。

ホテルジャーナリスト せきねきょうこ


東京西新宿の甲州街道沿いに瀟洒な17階建てのビルがある。明らかに他の建物とは趣の違うオーラを発するビル。そればかりか、ホテルの思惑通り‘NYロウアーマンハッタン’を彷彿とさせる趣だ。この建物が噂のホテル「キンプトン新宿東京」である。

ブランド名として日本では未だ馴染が薄いものの、発祥の地米国ではもちろんのこと、世界的にも名の知れたファンの多い個性派ラグジュアリーライフスタイルである。ホテル名の‘キンプトン’は、「キンプトンホテルズ&レストランツ」の創業者ビル・キンプトンに由来している。また創業者が貫き通した‘ホテルは人’という熱い思いを継ぎ、ここ東京新宿でも、一人一人のゲストにカスタマイズされたパーソナルなサービスを提供、また細やかな対応は日本でも好評なのだ。


ロビーエリア、奥に見えるのは「The Jones Café & Bar」、写真には見えないが反対側には「コンセプトストア」がある。


角部屋で明るい「プレミアムルームキング」。大都会の中心、西新宿の街を俯瞰で見るダイナミックな景色が広がる。

ニューヨークのホテルシーンを彷彿とさせるアートが随所に飾られる館内には、聞けば、20人以上ものアーティストが作品を提供しているという。さらにホテル自慢のサービスの1つにあるのが、「イブニングソーシャルアワー」という名で、毎夕開催されるキンプトンのシグネチャーサービスである。

創業者ビル・キンプトンが、ゲストにより快適な滞在を願って始めたというパーソナルなサービスであり、ゲストとスタッフ、又はゲスト同士が交流を深めるキンプトンならではの演出である。当然、このサービスは毎日変わるテーマに合わせ、オリジナルカクテルやワイン、カナッペが無料で提供されることも嬉しい限り。

1日の終わりに、都会のホテルならではのソーシャルな時の流れを感じる瞬間だ。まるで親しい友人の集まりのような温かな雰囲気は、何よりも、キンプトンの心の哲学である‘ピープル・ファースト’が礎になる演出である。

朝には朝の‘モーニングキックスタート’というサービスが提供されている。毎朝、1階の「ザ・ジョーンズ カフェ&バー」で開催される本格派のコーヒータイムであり、バリスタにより日本初上陸の「Birch Coffee(バーチコーヒー)」を淹れてくれるのだ。今は「キンプトン新宿東京」でしか味わえない貴重なコーヒーが元気な1日を演出してくれる。

こうした具体的なサービスはもとより、「キンプトン新宿東京」ではスタッフのカジュアルで優しい対応も印象的である。気取らずに、パーソナルで温かなサービスを提供する、これがマニュアルを持たないパーソナルな‘キンプトン流’なのだろう。


「プレミアムルームキング」の寝室。家庭内で飼育されているペットで、エレベーターに乗ることのできるサイズであれば、宿泊・レスラン利用が可能だ。


「ザ シンジュクスイート」、70平方メートルの広さ、クオリティの高いアメニティに囲まれた東西融合のモダニズムが快適。
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文=せきねきょうこ

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