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2022.02.18

爆速で36億円を稼いだアニメ系NFT「Azuki」を生んだ起業家たち

Mininyx Doodle / Shutterstock.com

1月12日、ロサンゼルス在住の30代の男性5人組が、「Azuki」と呼ばれるアニメ調のキャラクターの8700点のNFTを売り出した。1点あたり3400ドルのコレクションは3分で完売し、2900万ドル以上の収益を叩き出した。

その数日後には、さらに200万ドル分がプライベート・オファリングで販売され、合計の売上は3100万ドル(約36億円)に達した。AzukiのNFTは、その後OpenSeaなどの主要なマーケットプレイスで取引され、2月11日までの4週間の総取引ボリュームは約3億ドルに達している。

最も高価なAzukiは、現在50万ドルで取引されており、安価なものは3万6000ドルで購入できる。AzukiのNFTの総売上高は、有名な「Bored Ape Yacht Club(退屈した猿のヨットクラブ)」や「クリプトパンクス(CryptoPunks)」などを上回り、歴代のNFTの中で8番目にランクインしている。

Azukiのリリース元のスタートアップの「Chiru Labs」は、このNFTの再販から5%のロイヤリティを得ており、リリース時の売上の3100万ドルに加えて、1500万ドルのロイヤリティ収入を得ている。

Chiruの4人の創設者たちは匿名で、これはプライバシーを重視するクリプトの世界では珍しいことではない。しかし、キーパーソンである5番目のメンバーは、少なくともゲーム業界では名を知られたアーノルド・ツァン(Arnold Tsang)という人物だ。

39歳のコンセプトアーティストであるツァンは、数週間前までアクティビジョン・ブリザードの大ヒットゲーム「Overwatch」のキャラクターデザインを担当していたという。彼はその後、フルタイムでChiruの仕事に専念し、Azukiブランドをアパレルやその他の分野に拡大しようとしている。

「私たちの夢は、Azukiをアニメやゲームで利用されるビッグIPに育て上げることだ」とツァンは述べている。彼は、世間から信頼を得るために自分のアイデンティティを公開することにしたと話す。「私は、稼ぐだけ稼いだら逃げ出して、無人島に隠れてしまうような輩ではない。信じてほしい」
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編集=上田裕資

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