ベゾスは2021年7月にアマゾンの最高経営責任者(CEO)を退いてから慈善活動にいちだんと力を入れており、フォーブスの米国人寄付額ランキング上位25人にも初めて名を連ねている。
フォーブスの試算ではベゾスの生涯寄付額は今回分を除いておよそ21億ドル(約2400億円)。ただ、現在の資産額1810億ドル(約20兆9000億円)と比べると寄付額の比率は1%に満たない。14日の株価終値に基づくと、ベゾスはテスラのイーロン・マスクCEO、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンのベルナール・アルノー会長に次いで世界で3番目に裕福な人物となっている。
ベゾス側は今回の寄付先がどこかは現時点で公表していない。大企業の株を保有している富豪が寄付を行う場合、非営利団体側に現金を直接提供するのではなく株式を譲渡することが多い。そうすれば、株式を売却して現金化した場合に生じるキャピタルゲイン税を回避できるからだ。
ベゾスによる慈善活動には物議をかもしたものもある。ワシントン・ポストによるとベゾスは昨年12月、ワシントンDC公立図書館財団に270万ドル(約3億1000万円)を寄付し、図書館側はそれを記念してマーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念図書館のオーディトリアムの名称にベゾスの名前を冠することを決めた。だがこの決定に抗議の手紙が殺到し、結局、ベゾスが自分ではなく黒人女性作家トニ・モリスンにちなんだ名称にするよう要請する事態になった。
ベゾスは昨年、スミソニアン国立航空宇宙博物館への4年で2億ドル(約230億円)、バラク・オバマ元米大統領の財団への1億ドル(約115億円)など、合計で約10億ドル(約1150億円)の寄付を表明している。