AIで自動運転のシミュレーションを変える「Waabi」の挑戦

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「ビジョンを持つ者」を意味する社名


Waabiという社名は、「ビジョンを持つ者」という意味のアメリカ先住民のオジブウェー語に由来する。同社は、2021年6月にステルスモードを脱し、8350万ドル(約91.5億円)を調達したことを発表した。同社の当面の目標は、Waabi Driverソフトウェアを自動運転トラックに適用することだが、ウルスタンはあらゆる車両に幅広い用途で導入することを目指している。

「自動運転車があらゆる状況に対応するためには、従来とは異なる新しいテスト方法を開発し、システムがあらゆる状況に対処できるようトレーニングすることが必要だ。他社の多くは、公道を使って何百万マイルも走行しているが、この方法は多額のコストがかかり、スケールさせることが困難だ。従来とは異なるアプローチが求められており、Waabi Worldはまさにそれを実現したものだ」とウルスタンは話す。

Waabi Worldが本当に他システムより包括的で堅牢であれば、Waabiにとって大きな強みになるだろう。Zooxの共同創業者でCTOのJesse Levinsonは、公道テストを増やしている理由の1つとして、シミュレーションソフトには制約があることを挙げている。

「シミュレーターは、公道テストに比べて有益な点が多いが、完璧ではないので、実世界で運転することも必要だ。我々は、仮想世界と現実世界に違いが全くないようなシミュレーターをまだ開発できていない。シミュレーターの性能は向上しており、現実世界でしか学べないことはどんどん少なくなっている。しかし、シミュレーションだけで全ての学習ができるようになるまでには、まだ時間がかかるだろう」とLevinsonは述べている。

編集=上田裕資

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