Waabiの創業者でCEOのラケル・ウルスタン(Raquel Urtasun)によると、同社の「Waabi World」と呼ばれるプラットフォームは、実世界の状況をより正確に再現し、稀に発生する困難な“エッジケース”を作り出すことができるなど、競合他社が使用しているプラットフォームよりも包括的なテストを実現するという。精緻な仮想世界でソフトウェアを常時学習させることで、ロボタクシーからセミトラックまで、様々な車両の自動運転化が可能になる。
「当社のツールは、これまでで最もスケーラブルで高性能な閉ループシミュレーターであり、自動運転技術を広く普及させる鍵になる。Waabi Worldは、我々が“Waabi Driver”と呼ぶ自動運転ソフトウェアのテストを自動設計し、そのスキルを評価できる、没入型で反応性の高い学習環境だ。最終的には、Waabi Driverに運転スキルを教えることもできる」とUrtasunは話す。
ウルスタンは、トロント大学のコンピュータサイエンス教授を兼務しており、ウーバーの自動運転車開発チームでチーフサイエンティストを務めた経歴を持つ。彼女によると、Wabbiは現状ではソフトウェアの集中的なトレーニングに重点を置いており、Waabi Worldプラットフォームを他の自動運転車開発企業にライセンス供与する予定はないという。
「私たちは非常に早いスピードで前進している」とウルスタンは述べたが、詳細は語らなかった。
アルファベット傘下のウェイモやGMが支援するクルーズ、フォードとフォルクスワーゲンが出資するアルゴAI、アマゾン傘下のZoox、自動運転トラックメーカーのTuSimpleなどの自動運転のスタートアップは、厳密な公道テストを行うと同時に、シミュレーション上で膨大な距離を走行しているが、それでもロボタクシーや自動運転トラックがいつ広く普及するかは不明だ。