ビジネス

2022.02.16 12:00

セレブたちのスタートアップ、その成長戦略にみる共通点

キム・カーダシアン(Kevin Mazur/Getty Images for Nordstrom)



カイリー・ジェンナー(Bryan Bedder/Getty Images for REVOLVE)
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だが、その翌年、上場企業である化粧品大手のコティがカイリー・コスメティックスを12億ドルと評価し、株式の51%を取得。直後に公開された書類から、同社の事業規模はジェンナー側がフォーブスに明かした2分の1程度であることが判明した。

「知名度」の利用は規制すべき?


セレブの起業家たちは、なぜうそをついたり、情報の公開を避けたりするのだろうか。米フォレスターのリサーチ部門のプリンシパル・アナリスト、電子商取引と消費者行動が専門のスチャリタ・コダリはその理由として、非公開会社の情報公開について、規制する組織がないことを挙げている。

また、“うそ”を広めることにおいて大きな役割を担っているのはベンチャーキャピタルのコミュニティーであり、彼らの中にはそれを「問題にする人がいない」のだと述べている。
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コダリによると、セレブが創業した企業については上場しない限り、そのファンダメンタルズを定量的に評価するための「現実的な方法がない」のだという。

「ジェシカ・アルバが創業した(美容・ベビー用品の)オネスト・カンパニー(The Honest Co.)は、初期のころからかなりの事業規模になるとみられていた。だが、その見方が本当に正しいことは、上場するまで確認できなかった」


ジェシカ・アルバ(Dimitrios Kambouris/Getty Images for The Honest Company)

そのほかコダリは、2021年9月に上場し、時価総額がおよそ113億ドルとなったシューズ・ブランドのオン(On)についても、セレブが関与するベンチャー・ビジネスのうち、強固な基盤を築いていることが上場によって明らかになった1社だと指摘する。

ただ、2010年に創業、テニスのロジャー・フェデラーが5000万ドルを出資する同社の成長は、上場までメディアではほとんど取り上げられておらず、「誇大広告によって成し遂げられたものではないと考えられる」という。


ロジャー・フェデラー (c) On

リアーナが率いるフェンティは、これまでに総額およそ3億1000万ドルを調達した。それでも、2021年の売上高が50億ドルを超えるヴィクトリアズ・シークレットとは“同じ土俵”に立つことさえできない規模だ。

だが、SNSでおよそ3億人という膨大な数のフォロワーを持つリアーナは、より大きな富を手に入れるための“急行エレベーター”として、その知名度を利用している。ほぼ同数のフォロワーを持つカーダシアンもまた、リアーナと同様だ。

編集=木内涼子

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