ビジネス

2022.02.16 12:00

セレブたちのスタートアップ、その成長戦略にみる共通点

キム・カーダシアン(Kevin Mazur/Getty Images for Nordstrom)

キム・カーダシアン(Kevin Mazur/Getty Images for Nordstrom)

女性セレブ2人が立ち上げたランジェリーブランドが先ごろ、いずれも多額の資金を調達したことを公表。ランジェリー業界はにわかに活気を取り戻したかのように伝えられた。

リアーナが手がけるサヴェージ×フェンティ(Savage x Fenty)は、シリーズCラウンドで1億2500万ドル(約144億2000万円)を調達。それが発表された翌日には、キム・カーダシアンのシェイプウェアブランド、スキムス(SKIMS)が2億4000万ドルを調達し、評価額がおよそ2倍の32億ドルになったことが報じられた。


リアーナ(Kevin Mazur/Getty Images for Rihanna’s Savage X Fenty Show Vol. 3 Presented by Amazon Prime Video)

著名人は起業しても、個人的な出資額を明らかにしないことが多い。また、売上高については、ほとんどが公表を避ける。一方で彼らは、スタートアップの認知度を高めるための武器として、その知名度を使い続ける。

その代表的な例として挙げられるのが、2008年にライフスタイルブランドのグープ(Goop)を立ち上げた女優のグウィネス・パルトロウだ。同社が創業後10年目にシリーズCラウンドで5000万ドルを調達したときには、年間売上高は1500万ドルとも2000万ドルともいわれた。だが、パルトロウはその実際の金額を、明らかにしていない。


グウィネス・パルトロウ(Rachel Murray/Getty Images for goop)

そして、2020年に英王室を離脱したヘンリー王子とメーガン妃は、米国に住まいを構えるとすぐに、コンテンツの提供で米動画配信大手のNetflixや音楽配信大手のSpotifyと契約。また、講演活動のマネジメントを行う米ハリー・ウォーカー・エージェンシーとも契約を結んだ。

だが、夫妻はいずれの契約料も、開示していない。いかにも米国的な宣伝活動を盛んに行いながら、後に残してきた英国の“ザ・ファーム”(「会社」の意味、英王室を指す)の一員だったころと変わらない秘密主義を貫いている。

一方、なかには隠すだけでなく、うそをつくセレブもいるとみられる。その代表格といえるのが、キム・カーダシアンの異父妹、カイリー・ジェンナーだ。リアリティ番組のスターであり、カイリー・コスメティックス(Kylie Cosmetics)の創業者であるジェンナーは、自社の2019年の売上高を約3億6000万ドルと公表。フォーブスはジェンナーについて当時、「史上最年少のセルフメイドのビリオネアが誕生」と伝えた。
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編集=木内涼子

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