急増する米国のオピオイド過剰摂取死、経済損失は年間1兆ドルに

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「人命の損失と経済への損失という点では、違法合成オピオイドは、ゆっくりと人の命を奪う、錠剤の形をした大量破壊兵器のようなものだ」

リポートによると米国では、オピオイドの過剰摂取によって命を落とす人が過去20年間で55万人以上に上る。そのうちの約20万人は合成オピオイドが原因で、最も多いのが、違法製造されたフェンタニルだ。薬物の過剰摂取は、18歳から45歳までの死因第1位だとリポートは述べている。

合成オピオイド不正取引撲滅委員会は、超党派の委員で構成されており、米国土安全保障省(DHS)や米麻薬取締局(DEA)などの政府機関の代表者や、上院下院の議員が参加している。

慢性痛の治療用にオピオイドを処方されている人たちのうち、8%から12%が、身体的または精神的に依存するようになる。また、2022年2月に発表された研究では、薬物の過剰摂取による自殺者が、黒人女性、若者、高齢者のあいだで増加していることが明らかになった。

オピオイド過剰摂取による死者は、今後も増える見込みだ。蔓延を抑制しなければ、米国とカナダにおけるオピオイドの過剰摂取による死亡者は、2029年までに120万人以上に上るだろう。医学誌『ランセット』に2022年2月2日付けで発表されたリポートで、健康分野の第一人者たちはそう予測している。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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