テック系職業が半数を占めた「米国のベストジョブ50」

Marko Geber / Getty Images

米国では、離職者が毎月平均で400万人、求人数が約1100万に達しており、労働市場が最大の話題となっている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを受けて、労働者たちは自らの働き方に対する考えを見直している。それだけ多くの雇用機会があるのなら、低賃金で先のない仕事で我慢する必要はもはやないからだ。

キャリア情報サイト「グラスドア」は、以下のように述べている。「2021年は求人数が急増し、離職率が記録的水準に達したことで、力の均衡が変化し、労働者がより大きな力を持つようになった。それに伴い、膨大な数の労働者や求職者が、より良いワークライフバランスとは何かを吟味している」

グラスドアは2022年2月2日、労働市場の情勢を伝えるため、毎年恒例の「50 Best Jobs in America(米国のベストジョブ50)」を発表した。このランキングを決定するにあたっては、グラスドアが算出している総合スコアの高さが考慮された。

スコアは、「予想年収(基本給の中央値)、総合的な満足度、求人数」の3点を基準に算出される。ベストジョブ50には、3つの基準すべてで高評価を得た職業が並んだ。

グラスドアのシニアエコノミストでデータサイエンティストのダニエル・ジャオ(Daniel Zhao)は、CNBCの番組「Make It」に出演し、「最近では、どの会社も実質的にはテクノロジー企業と言える」と指摘した。

「パンデミックによって、データの持つ価値が本当に強調されるようになった。今回の危機が招いた変化が急激で、予測できないものであるためだ。リアルタイムで得られるデータを基に現状を把握し、意思決定に役立てようとする企業が増えている」

上位に並んだのは、大部分がテクノロジー分野の職業だ。具体的には、エンタープライズアーキテクト、フルスタック・エンジニア(設計から開発・運用まで全ての行程を手掛けることができるエンジニア)、データサイエンティスト、DevOps(デブオプス:開発developmentと運用operationsの連携)エンジニア、機械学習エンジニア、データエンジニア、ソフトウェアエンジニア、Java開発者、バックエンド・エンジニア、クラウド・エンジニアなどが挙げられる。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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