しかし、投資銀行大手のJPモルガンは、ビットコインの「公正価値」が現在の価格を大幅に下回ると算出し、ビットコインの「バブルとその破裂のサイクル」が、機関投資家が参入する上での最大の課題だと警告している。
JPモルガンのストラテジストは、先日の顧客向けメモの中で「ビットコインの最大の課題は、機関投資家のさらなる参入を妨げるボラティリティと、急上昇と急下降の波の大きさだ」と記した。ブルームバーグが2月9日に報じた。
JPモルガンの試算は、ビットコインと金とのボラティリティの比較に基づくもので、現在は金の約4倍のボラティリティを持つビットコインの公正価格を3万8000ドルと試算している。しかし、その差が3倍に縮まれば、ビットコインの公正価格は5万ドルに上昇するという。
ただし、長期的スパンではビットコインの価格は15万ドルに上昇するとJPモルガンは予測している。これは、ビットコインの時価総額が2.8兆ドル(約320兆円)に達し、個人が投資目的で保有しているすべての金の価値と並ぶことを意味するという。
一方で、FxProのアナリストのアレックス・クプツィケヴィッチは、Eメールによるコメントで「商品や株式、債券のような基本的な価値がないため、ビットコインの価格は投資家の関心に左右され、純粋に投機的な資産となっている」と述べている。
「簡単に言えば、ビットコインの価格はボラティリティというよりも、群衆の関心の高さによって変化する。ただし、ビットコインが有利なのは、供給量の増加率が低く、有限であることだ」と、彼は付け加えた。
ボラティリティは縮小傾向にある
また、いくつかの指標によってビットコインの価格が時間の経過とともに変動しにくくなっていることが示されており、これが機関投資家へのアピールを高める可能性があるという。