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2022.02.14 17:00

ジェフ・ベゾス流、リーダーシップに不可欠な10の哲学

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スティーブ・ジョブズ亡き後、ジェフ・ベゾスはIT業界を牽引する第一人者となった。彼の経営哲学に基づいたアドバイスは、読書指南(「アメリカ独立宣言の冒頭をじっくり読んでみる」)からストレス対処法(「たくさん笑おう」)まで多岐にわたるが、大半はビジネスに関するものだ。
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以下、ベゾスのその10の哲学を紹介しよう。

1. 「絶対に変わらない条件に基づいて戦略を立てる」


口紅、トラクターのシート、電子書籍リーダー、データ記憶装置──販売する商品が何であれ、基本となる条件は変わらない。「幅広いラインナップ」「低価格」「迅速で信頼できる配達」の三点を実現することだ。

2. 「常に顧客最優先で考える」


ベゾスは当初、会議の場に空の椅子をひとつ置くことで、その場にいない重要な参加者──「顧客」を意識せざるを得ない状況をつくり出していた。その後、椅子ではなく特別な訓練を受けた社員が「Bar Raiser(アマゾン社内に対して、顧客視点の新鮮なインサイトを提供するために認定された社員)」として代理役を務めることになった。彼らが顔をしかめるたびに、経営幹部は震え上がる。
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3. 「長期にわたって誤解されることも厭わない」


アマゾンの拡大戦略の多くは一見、利益をどぶに捨てているように見える。そのため、アマゾンの株価はたびたび急落し、アナリストの冷笑を買うことも少なくない。しかし、ベゾスは気にしない。新たな戦略が理に適っているなら、目に見える結果が出るまで五年から七年かかるのは想定内だ。

4. 「この世には二種類の企業がある。商品をなるべく高く売ろうとする企業と、なるべく安く売るために努力する企業だ。われわれは後者だ」


多くの小売企業がコストを抑えて貯蓄を消費者に還元したいと考えているが、「質素倹約」を行動規範のひとつに掲げるアマゾンほど熱心な企業はなかなか見当たらない。全社員が安価なオフィス家具を使用し、900億ドルの株式市場評価額と35%の収益成長率を叩き出した。

5. 「顧客のニーズを明確にし、そこからさかのぼって考える」


Kindleタブレットや電子書籍リーダーなど、アマゾンの目玉となるプロジェクトの仕様は、エンジニアの好みではなく顧客の希望に基づいて決定される。顧客が必要としないものは、その時点で不要となる。たとえそれが、かつて成功した部署の解体を意味するとしても。

6. 「フレンドリーで仕事に厳しい社風だが、必要とあらば厳しさを優先する」


アマゾンではデータが何よりものを言う。とりわけ新たな仕様やサイトのデザインに対する顧客の反応は、データを用いて徹底的に比較検討される。ベゾスはこれを「指標重視の社風」と呼ぶ。そうした厳しい協議が週に何十回と行われるので、心なごむ会話や凝った親睦イベントのための時間はほとんどない。

7. 「新しいことをやりたいなら、失敗を恐れてはならない」


アマゾンは当初、プロの編集者を大勢雇って書籍や音楽のレビューを書かせていたが、やがて現行のカスタマーレビュー方式に切り替えることにした。オークション市場への進出は失敗に終わった。ベゾスはそうしたつまずきも人生の一部とみなし、次につながる学びを得ることが重要だと考えている。

8. 「従来は便利なサービスを構築するのに30%、その宣伝に70%の時間を使っていた。今の時代、その割合は逆転する」


アマゾンの広告宣伝費は、大規模な小売企業にしては驚くほど少ない。このデジタル時代において、昔ながらの口コミがますます影響力を持つようになったとベゾスは確信している。だから、満足した顧客が口コミで拡散してくれるように、地道な工程改善を重ねていく。代表的な例が、アマゾンの簡易包装へのこだわりだ。全面プラスチックで密封されたクラムシェル包装などの過剰包装を削減することで、おもちゃをはじめさまざまな商品のパッケージが格段に開けやすくなった。


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9. 「すべての社員がコールセンター業務をこなせなければならない」


ツイートやブログで情報があっという間に拡散される時代に、顧客の苦情は命取りになりかねない。ベゾスは自身を含む数千名のマネージャーに、毎年コールセンターで二日間の研修を受けるように奨励している。顧客に寄り添う謙虚な精神を身につけるのに、絶好の機会となる。

10. 「インターネットの世界は今が『Day 1』(始まりの日)だ。これから学ぶことは山ほどある」


ベゾスは1997年、アマゾンの株主に向けた最初の手紙でがこの考えを表明した。彼の姿勢はそれから一度もぶれていない。2010年に設置された新本社ビルのうち、最大の2棟はそれぞれ「Day 1 North」「Day 1 South」と名づけられた。ベゾスはその後もインタビューで語っている。インターネットはまだまだ理解されない点が多く、常に新たな驚きをもたらしてくれる未知の世界である、と。

翻訳・編集=大谷瑠璃子/S.K.Y.パブリッシング/石井節子

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