コーヒーがこぼれない上品さと静粛性。「シトロエンe-C4」を愛せる理由

シトロエン e-C4

なんだか、このシトロエンはユニークな存在感がある。目の前に現れると、「ボンジュール」と挨拶したくなる。

冗談はさておき、クルマを購入する際、スポーティな走りや加速性は重要な要素とされているけど、多くの人から見れば、快適性と静粛性の方が大切なんだ。スタイリッシュな電気自動車(以後 BEV )「シトロエンe-C4 ELECTRIC」は、まさにそういう車両だと言える。簡単に言うと、人気のC4のEV版と考えてもらっていい。

後ろから見たe-C4

5ドアハッチバックのe-C4は、サイズ的にはVWゴルフ、BMW1シリーズや日産リーフなどといった感じだろう。やはり、PSAグループの仲間と言うことで、e-C4はプジョーe-208とe-2008と同様なプラットフォームやパワートレーンを採用している。(ちなみに、今年1月にFCA〈フィアット・クライスラー・オートモビルズ〉とPSAグループが統合されてSTELLANTISとなった)

外観は独創的でシルエットが綺麗。新世代フェイスはかなり挑戦的だと思う。ブランドロゴであるダブルシェブロンの両側の細いLEDライトの下にポルシェっぽいヘッドライトがあり、同時に長細いグリルの両脇に青い六角形の形をした輪の中にデカいフォグライトを秘めている。

フロント部の写真

また、個性的なサイドプロフィールは複雑なラインの曲線が目立つし、Cピラーからリアウィンドーまでの部分はまるでクーペのデザインみたいだ。全体的に見て、過激でとてもフレンチな匂いを醸しているといっても過言ではないだろう。正直に言うと、このクルマは結構格好良いと思う。その匂い立つフレンチさが売れるポイントの一つだけど、ルックスと同じぐらい重要なのは、コンフォートというか、快適性と心地良さ。
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文=ピーターライオン 写真=西川節子

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