3位は、東アフリカのソマリアだ。少数派であるキリスト教徒は、イスラム原理主義の過激派組織アルシャバブによって、あからさまに標的にされている。
「キリスト教徒に改宗したのではないかと疑われるだけでも、生命にかかわるほど危険だ。聖書やキリスト教関係の文書を所持しているのが見つかった場合、親族やコミュニティが同意すれば処刑される」
4位のリビアでは、少数派キリスト教徒は、イスラム教過激派グループと組織犯罪グループに狙われている。誘拐やレイプの被害に遭ったり、奴隷にされたり、殺されたりすることが多い。しかも、そうした行為は一切罪に問われない。
5位のイエメンでは、キリスト教徒に改宗すると、一族の名誉を守るためとして家族によって殺されたり、身体的な暴力を受けたりする。
6位から10位は、エリトリア、ナイジェリア、パキスタン、イラン、インドの順だ。
2022年のワールド・ウォッチリストは、世界中のキリスト教徒が直面している不穏な状況を表している。とはいえ、迫害を受けているのはキリスト教徒に限らない。
キリスト教徒が少数派であればなおさらのことだが、そうした国では、他の宗教的少数派も同様の扱いを受けている。
リポートはさらに、非常に重要な点を指摘している。宗教的な少数派を標的にして凶行に及んでも罰せられないため、迫害する側は勢いづき、それがさらなる犯罪を招くというのだ。そうして、地元や国内だけでなく、地域全体でも迫害が悪化していく。この警告を、私たちは真剣にとらえるべきだ。