ワールド・ウォッチリストは、キリスト教徒が最も深刻な迫害を受けている上位50カ国について評価したリポートだ。
それによると、キリスト教徒の迫害は、ワールド・ウォッチリストが公表されるようになったおよそ30年間で、最悪の水準に達した。
「76カ国で3億6000万人を超すキリスト教徒が、信仰を理由にした過酷な迫害や差別に苦しんでおり、その数は昨年と比べて2000万人増えている」とリポートには書かれている。
キリスト教徒の7人に1人は、信仰を理由に、「極度な」迫害や、「非常に高いレベルの」迫害や差別にさらされながら暮らしていることになる(ワールド・ウォッチリストでは、11位のサウジアラビアまでは「極度」の迫害、残り39カ国はすべて「非常に高度な」迫害とされている)。ウォッチリストにある50カ国だけで、3億1200万人のキリスト教徒が暮らしている。
今回は、リストの公表が始まって以来初めて、アフガニスタンが1位になり、長年1位だった北朝鮮に取って代わった。
リポートが示しているように、アフガニスタンでは、2021年8月にタリバンに制圧されて以来、少数派のキリスト教徒は他国へ逃れるか、隠れて暮らさざるを得ない状況にある。
「キリスト教徒であることがタリバンに知られている人たちは、追跡されている。キリスト教徒であることが発覚すると、男性は処刑され、女性は処刑を免れたとしても、死ぬまで奴隷にされるか投獄されるかのどちらかだ」
長年1位だった北朝鮮は、今回は2位となった。
北朝鮮では信仰の自由がなく、キリスト教徒は長いあいだ迫害されてきた。
「北朝鮮では、キリスト教徒であるとわかると、本人とその家族は政治犯として強制労働収容所に送られるか、その場で処刑される」
「そのため、キリスト教徒同士が集まることは不可能に近く、集会を開くなら極秘にするしかない」