アンドリュー・ヤン、「米国の民主主義を守る」団体に支援を表明

アンドリュー・ヤン(Photo by Joe Raedle/Getty Images)

民主主義を守るために活動する団体「ワン・フォー・デモクラシー(One for Democracy)」が発表したプレスリリースによれば、実業家で政治活動家でもあるアンドリュー・ヤンが、今後4年にわたって毎年、自身の純資産の1%を「米国の民主主義を守る」ために寄付すると約束したという。

ヤンは、2020年の大統領選や2021年のニューヨーク市長選に立候補して有名になった人物だ。今回の約束は、そうした人物による大胆な意思表明に思えるかもしれない。

だが実際は、それほどでもない。ヤンは「シリコンバレーの候補」と呼ばれるが、大統領選で民主党の指名獲得をめざしていた2019年11月にフォーブスが伝えたところによれば、当時のヤンの純資産は100万ドルにすぎなかった。

当時、弁護士やスタートアップの創業者として築いた推定資産額の大部分は、ニューヨーク州ニューパルツにある2700平方フィート(約250平方メートル)の自宅に由来するものだった。残りは、預金口座と、分散させた投資信託から構成された「ごく平均的な投資ポートフォリオ」だ。

現在のヤンの財産はもっと増えているかもしれないが、たとえ資産が倍増していたとしても(おそらく、失敗に終わった選挙のあとにかなり稼いだはずだ)、ヤンの寄付額は、4年間で合計8万ドルにしかならない。

資産を4倍にしていたら、4年間の寄付額は16万ドルになる。だが、純資産額が以前とほぼ同じだった場合、ヤンがワン・フォー・デモクラシーに寄付すると約束した額は、およそ4年間で4万ドルということになる。

ワン・フォー・デモクラシーは、「米国の民主主義の保護と強化」のために、個人や財団に純資産の最低1%を寄付してほしいと呼びかけている。この団体にとってヤンの寄付金は、金銭的にはそれほど大きなものではないだろう。だが、そこはたいして重要ではないようだ。

現在47歳のヤンは、2020年大統領選の時期に、超大穴の候補から、人気の高い全国区の有名人へと変身した。その一因は、テック系企業幹部や起業家としての経歴を宣伝し、ユニバーサル・ベーシックインカムの計画を前面に押し出したことにある。ヤンの支持者たちは「ヤン・ギャング」として知られるようになった。
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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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