しかし、もしもこれが一匹狼のハッカーの仕業だったとしたらどうだろう? 雑誌「WIRED」は2月2日、今回のブラックアウトの背後に居ると主張するP4xと名乗る米国人ハッカーのインタビューを掲載した。P4xは北朝鮮に報復するために、彼らのインターネットをダウンさせたと主張している。
フォーブスは昨年1月、北朝鮮のハッカーが米国のセキュリティ研究者を標的にした攻撃で、マイクロソフトとグーグルのセキュリティを突破したと報じていたが、P4xはこの攻撃で自身も被害を受けたと述べている。
彼はその後、米国政府がこの件で十分な対応を行わないことに失望し、自分で行動を起こすことにしたと述べている。彼は、時間をかけて北朝鮮のネットインフラの脆弱性を突き止め、攻撃をしかけたという。
「北朝鮮は、私たちが反撃しないとさらに攻撃を続けるだろう」とP4xは述べ、今後は北朝鮮の機密情報を盗み出して、専門家とシェアするかもしれないと述べている。
筆者は、元カナダ軍の諜報員で、現在はセキュリティ企業Cyjaxの幹部を務めるイアン・ソーントランプにこの件についての意見を聞いてみた。「個人のハッカーが北朝鮮のような国家に戦いを挑むのは無謀な行為だ」と彼は指摘し、P4xが今後、報復を受ける可能性があると警告した。
米国土安全保障省(DHS)は北朝鮮の悪質なサイバー活動を「Hidden Cobra(隠れたコブラ)」と呼んでいる。「もしも、個人のハッカーがコブラを棒で突いたら、恐ろしい牙を剥かれる可能性がある」とソーントランプは述べた。