米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは先ごろ、フレンチ・ゲイツは今後、寄付の大半を元夫と共同で創設したビル&メリンダ・ゲイツ財団以外を通じて行う可能性があると報じた。
具体的にどのような形で寄付を行うかについては明らかにされていないが、フレンチ・ゲイツは、「パートナーを組む人たちや組織を信頼すること、彼らの成功は彼らが自身によって判断されるようにすることが重要だ」と述べている。
一方、スコットも昨年末、自身よりも寄付先に注目が集まるようにするため、自ら寄付の詳細を公表することをやめると発表した。(その後、方針を修正したものの)寄付を受ける側に、より大きな力が与えられるべきであるとの考えを明らかにしている。
「信頼に基づく」慈善活動は、寄付する側がその提供する資金によって実際に違いがもたらされているかどうかを測ろうとする、成果重視型の慈善活動とは対照的なものだ。これは、なにも新しいものではない。だが、この2人の女性たちによって、このアプローチに新たな道が開かれる可能性はある。
従来型の寄付には疑問点も
非営利団体の慈善活動を研究するシアトル大学のエリザベス・デイル准教授は、「裕福な慈善家は(慈善活動において)何が最善かわかっている、という考え方は疑問視されてきた」と指摘する。
また、非政府組織などについて研究するサンディエゴ大学のハンス・シュミッツ教授によると、ヒューレット財団やゲイツ財団など、米国の最大規模の慈善団体の一部は、より結果を重視した寄付を行っており、特にテクノロジー業界のビリオネアたちは、そうしたスタイルを好むという。