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2022.02.13 17:00

サプライチェーンの危機を乗り切った各社から学ぶべき教訓

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サプライチェーンの逼迫がもたらした、「100年に1度のマネジメント危機」は、どの企業にとっても予測できず、ましてや備えることなどできないものだった。それでも、一部の企業は比較的うまく乗り切った。

大規模小売のカテゴリーでは、ウォルマートが、本国周辺での製品調達の割合を高める長期的プログラムの9年目に入っている。同社は当初、米国製品の購入に500億ドルを拠出すると発表していた。さらに同社は2021年、顧客の85%が「小売業者にとって、米国で製造された、あるいは組み立てられた製品を調達することが重要だ」と答えたことを根拠にあげつつ、米国の製造業を支援するため、今後の10年間でさらに3500億ドルを投じる計画を発表した。

もっと専門的な分野では、アコースティックギター製造大手のテイラーギター(Taylor Guitar)が注目に値する。同社は、国外の森林でしか得られず、持続的利用が義務づけられている特別な木材の在庫を豊富に確保していたおかげで、パンデミックのあいだも生産を維持できたと述べている。

小売業界にとって最も学ぶところが多いのは、おそらく電気自動車企業のテスラだろう。

ニューヨーク・タイムズの記事によると、GMやフォードがコンピューターチップ不足を理由に工場を閉鎖する一方で、テスラは過去最高の四半期売上を計上した。2021年における同社の電気自動車の販売台数は、前年の2倍に達した。

ニューヨーク・タイムズの報道によれば、パンデミックが到来するまで、テスラの創業者イーロン・マスクがもともと掲げていた「自社内部でやれることを増やす」という目標について、アナリストたちは懐疑的だったという。

パンデミックの渦中では、テスラも必要なチップを調達できなかったが、「手に入るものをかき集め、ニーズに合うようにOSを書き換えた。大手自動車会社は、こうした方法はとれなかった。ソフトウェアとコンピューターの専門技術の大部分を、外部のサプライヤーに頼っていたからだ」

ほとんどの小売業者にとって、パンデミックは青天の霹靂だった。Amazonが仕掛ける容赦ない低価格競争を背景に、徹底的にコストを下げ、在庫を極限まで絞ることが、業界の常識になっていたからだ。

KPMGコンサルティングの米国サプライチェーン・オペレーション実務担当責任者であるブライアン・ヒギンズ(Brian Higgins)は、フィナンシャル・ポストによるインタビューのなかで、「我々は今、サプライチェーンのオペレーションモデルが崩壊していることを目の当たりにしている。こうしたモデルの大半は、20年前に、当時は普遍的真理と考えられていたものに基づいて構築されたものだ」と指摘している。そうした「真理」が、「長く、脆弱なサプライチェーンを生み出した」と、同氏は説明する。
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翻訳=的場知之/ガリレオ

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