同じインドの財閥リライアンス・インダストリーズのムケシュ・アンバニ会長(推定資産額約899億ドル)をわずかながら上回った。
インド西部グジャラート州出身のアダニは大学中退後、1988年に一次産品の輸出会社アダニ・エンタープライジズを創業。その後、港湾管理や発電、不動産などさまざまな分野にビジネスを拡大した。
グループは現在、インドで上場企業6社を抱え、うち最も時価総額の大きいアダニ・グリーンエナジーの株価は過去1年に77%上昇している。
アダニがフォーブスの年次世界長者番付に登場したのは2008年で、そのときの推定資産額は93億ドルだった。最新の資産額は、昨年4月に最新の世界長者番付が発表された時点(505億ドル)から倍近くに膨らんでいる。
一方、これまでアジア一の富豪だったアンバニの資産額はこの間、6.5%の増加にとどまった。石油や石油化学製品、小売り、通信などの事業を手がけるリライアンス・インダストリーズの株価は3日に1.47%安となり、年初来では2.3%下落している。
アダニ・グループの躍進の裏には、グジャラート州の首相から国政に進出したナレンドラ・モディ首相の後援もあるとみられる。フォーブスの2014年の報道によると、モディはアダニの息子の結婚式にも出席している。
アダニ・グループは2020年9月、インドで2番目に利用量の多い空港であるムンバイ国際空港の株式を74%取得している。