そんな中、米国の超党派の下院議員のグループが2月3日、200ドルに満たないビットコインや暗号通貨の決済を免税にし、税務報告を免除する法案を再提出した。
共和党のDavid Schweikert下院議員は声明の中で、「暗号通貨は私たちの日常の暮らしを再構築するツールであり、政府はこれらの通貨を税法上公平に扱うよう努力する必要がある。この法案は、デジタル経済を成長させるための基盤となるものだ」と述べている。
米国では、原則として暗号通貨で決済を行ったり、売却や交換、譲渡する場合には税金を支払う必要があるが、議員らは、このプロセスを簡素化することを目的とした「暗号通貨税公正化法案(Virtual Currency Tax Fairness Act)」を発表した。この法案は、暗号通貨に友好的な立場をとるSchweikert議員を含む2人の共和党議員と2人の民主党議員が発案したもので、成立した場合、2021年12月31日以降のすべての取引に適用される。
これらの議員は、現在35名の議員が所属する議会の団体「Congressional Blockchain Caucus」の共同議長を務めている。
この法案を推進している暗号通貨関連のシンクタンク「Coin Center」のJerry Britoは、「この法案は、デジタル通貨の公平な競争環境を整えるだけでなく、マイクロペイメントのような現行法では対応が難しいアプリケーションのイノベーションを促進する」と述べている。
「ビットコインやその他の暗号通貨は、革新的な決済手段だが、米国の納税者は1万ドル相当の投資であろうと、99セント相当の曲をオンラインで購入する場合であろうと、すべての取引を追跡し、報告することを求められる。この制度は、暗号通貨を他のデジタル決済手段と比較して不利な立場に置くことになる」と、Britoは述べている。
ビットコインをはじめとする多くの暗号通貨は近年、価格が高騰したが、それらを支払い手段として使える場面が少ないことから、投機的な投資として批判を浴びる場合が多い。しかし、ブロックチェーンベースの分散型金融(DeFi)やNFTなどが注目を集める中で、暗号通貨を保有する人は増えている。
Blockchain Associationのエグゼクティブ・ディレクターであるKristin Smithは、「暗号通貨を保有する米国人が納税義務について簡単に理解できるようにすることが重要だ。日常的な少額の買い物に対する税の支払いを免除する今回の法案は、消費者の負担を軽減することになる」と述べた。