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2022.02.07 06:00

ソニーが買収のゲーム会社Bungie、「異例の好条件」を獲得

(c) Bungie

ソニーは1月31日、マルチプラットフォームゲームの「Destiny」シリーズなどの開発で知られる米ゲーム企業Bungieを36億ドル(約4100億円)で買収すると発表したが、同社が2月2日に開示した第3四半期決算の資料から、その取引の詳細が判明した。

Bungieは、自社と従業員にとって非常に良い条件をソニーから引き出した模様だ。

今回の買収は、Bungieが「Destiny 2」だけでなく、今後のIPについてもパブリッシングの独立性を維持し、マルチプラットフォームで展開できる内容になっている点がまず驚きだ。さらに、ソニーがBungieに支払う36億ドルのうちの24億ドルが会社の未公開株の購入に充てられ、残りの12億ドルが直接、社員株主にインセンティブとして支払われる点が興味深い。

Bungieの従業員が約900人しかいないことを考えると、これは非常に大きな金額だ。均等に分配するとしたら一人当たり130万ドルという計算になるが、実際はそうはならないに違いない。

会社の株を保有するのは、社歴が長い幹部以上のメンバーに限られるはずで、彼らにはずっと大きな額が与えられる。このインセンティブは、会社に残る従業員に複数年にわたって付与され、彼らを会社につなぎとめることになる。

このことは、ソニーが最重要視するのがBungieのIPのみではないことを意味している。Bungieが展開中の「Destiny 2」は基本プレイが無料で、追加コンテンツやゲーム内通貨に課金する「ライブゲーム・サービス」であり、ソニーは彼らの専門知識を求めている。ソニーは、Destiny 2を最も成功したライブサービスフランチャイズの1つに育て上げたチームから、そのノウハウを学びたいと考えている。

今回の買収は、Bungieの従業員1人当たりの評価額を400万ドルとするもので、このような買収における一般的な額をはるかに上回っている。これは、Bungieがいかに価値のあるスタジオであるかを示すものであり、Bungie側がいかに巧みにその事実をソニーに納得させることができたか、また、プレミアムの支払いに応じさせたかを示している。

編集=上田裕資

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