小暮:「グラフ」には、“鉱山から女性を飾るジュエリーになるまで”というコンセプトがあるそうですね。
森岡:カナダ、オーストラリア、ロシア、アフリカなど、世界各地の鉱山とネットワークをもち、買い付けから販売まで一貫して自社で行う真のダイヤモンドカンパニーです。アフリカのレソト王国で世界最大級のダイヤモンドが算出された際には国王から直接電話を受けたこともあったそうです。えりすぐりの石のみがロンドン本社に運ばれて、熟練した職人の手で極上のジュエリーへと生まれ変わるのです。
小暮:英国の“職人の手作業”と言われると、すぐに我々はニューボンドストリート近くにあるあのサビルロウで仕立てられるブリティッシュスーツを想像してしまいますが、ジュエリーももちろん手作業のなせる業、美しさの極みなのですね。
森岡:その通りです。
小暮:スーツの仕立ての美しさや複雑時計の動きの素晴らしさに見とれる男性と同じく、女性たちは揺らぐことない永遠の輝きをもつ「グラフ」のジュエリーに魅せられてしまうというわけですね。
森岡:コロナ禍にあっても、富裕層を中心に高額商品の売れ行きは好調だと聞きました。
小暮:旅行も気軽に行けない時期が長く続いていましたからね。時計も、クルマも高級なものほど売れているそうです。希少性の高いものほど求められる傾向は最近の消費傾向です。そういう意味ではハイジュエリーもその代表格と言えるのでは。
森岡:そのうえ、ジュエリーは身に着ける女性に自信を与えてくれますからね。
小暮:王室などでは、ジュエリーは代々受け継がれていくものです。だから“永遠”なんです。そういう意味でもジュエリーは“一生もの”と考えるべきものなのでは。
森岡:ファッションで一生ものというとなかなかあるものではありません。投資価値はそうとう高いアイテムだと思いますね。
小暮:これからは森岡さんもクルマやゴルフクラブ、ラグジュアリーな服ばかりに投資せずに、ジュエリーを選ばないと。
森岡:忠告に従って、がんばります(笑)。
森岡 弘◎『メンズクラブ』にてファッションエディターの修業を積んだ後、1996年に独立。株式会社グローブを設立し、広告、雑誌、タレント、文化人、政治家、実業家などのスタイリングを行う。ファッションを中心に活躍の場を広げ、現在に至る。
小暮昌弘◎1957年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業。82年、株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで『メンズクラブ』編集長。09年よりフリーランスの編集者に。