1月の米国の銃販売数が急減、「コロナ禍による急増」が収束

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今年1月の米国内の銃器の販売数は、2021年の1月との比較で40%以上のマイナスとなったことが分かった。これは、コロナ禍を発端とした需要の急増が収まり始めた兆候と見られている。

コンサルタント会社のSAAFによると、先月の米国内の銃の販売数は約130万丁で、2021年1月の220万丁との比較で42.6%減少した。ただし、これらの数字は、パンデミック前と比べるとまだ大幅に上昇しており、2019年1月の販売数は約100万丁だった。

SAAFのチーフエコノミストのユルゲン・ブラウアーはフォーブスの取材に対し、1月の販売数の急減の理由は不明だと述べたが、関係者はコロナ禍による需要の急増が、いずれ減速すると予想していた。

ブラウアーによると、今回と同レベルの落ち込みは2014年にも見られていたという。その際は、2012年末のコネチカット州の学校銃乱射事件を受けて規制が強化されたことで、2013年1月の銃の販売数が急増し、翌年には大幅に減少していた。

SAAFによると1月の販売数は昨年12月の約190万丁との比較でも大幅な減少になっている。ブラウアーによると、銃の販売数はホリデーシーズンに急増することが多いため、翌月には急落する傾向があるという。

SAAFの推計によると、昨年、米国で販売された銃器の総数は1990万丁で、1990年代後半にデータを開示し始めて以来で2番目に販売数が多い年となった。これまでの最高記録は2020年の2280万丁で、3番目は2016年の1670万丁だった。

全米射撃協会(National Shooting Sports Foundation)によると、昨年初めて銃を購入したアメリカ人は約540万人で、2021年の銃器の購入者の約30%を占めていた。

銃の販売はニュースに大きく左右され、不安が高まった時期や銃規制の強化を求める政治的機運が高まったときに急上昇する傾向がある。今回の販売数の急増は、パンデミックと2020年の大統領選挙をきっかけに発生したが、トランプ前大統領が就任した際には、銃規制が強化されるのではないかとの“恐怖”が消えたことで、販売数が減少していた。

編集=上田裕資

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