同社の幹部に加わるのは、ネットフリックスの元CMOのレスリー・キルゴア(Leslie Kilgore)と、BlockのCFOのアムリタ・アフジャ(Amrita Ahuja)だ。Discordの創業者でCEOのジェイソン・シトロンは、「二人は世界的企業で素晴らしい経歴を積んできた」と述べている。
創業6年のスタートアップのDiscordは、創業チームの持ち分を減らしつつ外部から資金を調達し続けるか、IPOに踏み切るかの決断を迫られている。
Discordはこれまで、ベンチマークやグレイロックパートナーズ、インデックスベンチャーズなどの投資家から総額10億ドル以上を調達しており、評価額は140億ドルを超えている。同社は、2021年春にマイクロソフトからの約100億ドルの買収提案を拒否したことで、関係者の間でIPOに向かうとの観測が高まった。
Discordが今回、上場企業での経験を持つ2人を起用したことは、上場に向かう意思をさらに明確にしたと言える。同社は、ユーザーが追加料金を支払うことで、カスタマイズ可能なプロフィールなどの追加機能を利用できるサブスクリプションを強化しているが、キルゴアは、ネットフリックスで初期のサブスクリプションを推進し、2000年から2012年かけて10万人規模だった会員数を2600万人以上に伸ばしていた。一方、アフジャはBlockに勤務する前にアクティビジョン・ブリザードのCFOを務めていた。
Discordはここ1年半の間に、“ゲーマー向けのチャットアプリ”というポジションを抜け出し、ユーザー層を拡大させてきた。Discordの月間アクティブユーザー数は1億5000万人で、ツイッターやSnapの3分の1程度だが、最近ではアプリの簡素化と効率化を進め、教師や学生らを取り込もうとしている。
「Discordは、オンラインで人々が集い、コミュニティを見つける方法を再構築しようとしている。会社が急速に発展する時期に、ジェイソンやDiscordのチームと一緒に働けることを嬉しく思う」とアフジャは述べている。