ビジネス

2022.02.02

「かわいい」パンと菓子で成長、日本のECサイトcottaが93億円規模に

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競合相手は多いが──


コッタはパンやお菓子作りの材料から器具、ラッピング用品などの消費者向けの商品、包装資材や乾燥剤などの卸売り向けの商品まで、3万点以上を取り扱う。無料・有料のレシピ、そしてオンラインレッスンなど、消費者向けのサービスも好評だ。2021年の事業計画によると、同社の売上高は61%が消費者向け、39%が卸売り向けから得たものとなっている。

同社が競合するアマゾンや楽天をはじめとするネット通販大手は、より安価で同様の商品を販売しているかもしれない。だが、コッタのファンたちのように本格的なパン作りを目指す消費者を満足させるだけの商品は、取り揃えていないだろう。

そのほかコッタの競合相手には、1919年に創業、国内50カ所以上に実店舗を持ち、ウェブサイトでの販売も行う富澤商店がある。だが、同社が力を入れているのは商品であり、コッタがユーザーを引き付けているデジタルコンテンツが充実しているようにはみえない。そのため、現時点でその潜在力を測ることは難しい。

つまり、この市場におけるコッタの地位は今のところ、安定しているものとみられる。ただ、消費者の需要は今後、大きく変動する可能性がある。新型コロナウイルスの感染状況しだいで、自宅でのパン作り熱がいつまで続くかは見通せない。これまで危機をチャンスに変えてきたその特有の力で、コッタはこの先に浮かび上がってくる課題を、どのように乗り越えていくだろうか。

編集=木内涼子

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