ウーバー・ヘルスをグローバルで統括するケイトリン・ドノバン(Caitlin Donovan)は、「この1年、ウーバー・ヘルスが信じられないほど勢いを増す状況を目の当たりにしてきた。人の送迎およびモノのデリバリーサービスを活用して患者のアクセスにまつわる問題を解決する、テクノロジーを用いたソリューションに投資する企業は着実に増えている」と述べた。「(キャンターの)専門知識を得たことで、医療のエコシステム全体に及ぶ、トータルなサービスを求めるニーズに応える上で、ウーバーは重要な次のステップに踏み出すことができるはずだ」
ウーバーのコスロシャヒCEOは、2021年12月のサミットで、ウーバーが自社のサービスを、患者およびその診療記録に関するプライバシーについて定めた連邦法「医療保険の移植性と責任に関する法律(HIPAA)」のセキュリティに関する要件を満たすよう構築していると発言していた。これにより、患者およびその診療記録などの情報が、医療機関と医療保険会社、およびウーバーのあいだでやり取りされる際に、HIPAAの規則に準拠し、個人情報が守られた形で扱われる。
ウーバーはまた、同社アプリをダウンロードしていない患者向けに、テキストメッセージ経由のサービスを提供しているほか、各種サービスは20の異なる言語で利用可能になっている。
さらにウーバーは、ソフトウェア企業スクリプト・ドロップと提携し、同社が複数の調剤薬局チェーンと築いてきた関係を活用することで、処方薬の宅配事業にも裾野を広げている。スクリプト・ドロップは調剤薬局と連携し、薬局の医薬品宅配プラットフォームの改善および構築に取り組む企業だ。これにより、今後はさらに多くのウーバー・ユーザーが、かかりつけの調剤薬局から自宅に薬を配送してもらうサービスを利用できるようになるはずだ。
ウーバー・ヘルスが提携関係を構築している企業としては、他にも、高齢者を大学生世代の介護サービス提供者と結びつけるサービス企業であるパパ、患者の搬送や食事提供などの在宅ケア関連サービスと患者を結びつけるモディブケア(ModivCare)などがある。
また、医療関係のソリューション提供企業サーゴ・ベンチャーズ(Surgo Ventures)とも提携し、妊婦が医療センターを訪れる際の送迎サービスを提供している。