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2022.02.02 17:00

元スシローCOOが主導する「おじさんスタートアップ」の野望

まん福HD代表取締役社長 CEOの加藤智治。東大在学中からアメフト選手としても活躍し、社会人Xリーグのアサヒビール・シルバースターでもプレーした

まん福HD代表取締役社長 CEOの加藤智治。東大在学中からアメフト選手としても活躍し、社会人Xリーグのアサヒビール・シルバースターでもプレーした

「日本の食文化は、日本人が最も世界に誇り続けられるものなんです」
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こう熱く語るのは、かつて、あきんどスシローの取締役COO(最高執行責任者)として、スシローを“回転寿司業界ナンバー1”に押し上げた加藤智治だ。実際にミシュランガイドの星の数をカウントしてみると、世界1位に東京、3位に京都、4位に大阪と、トップ5に日本の都市が3つもランクインしている。

「それだけ海外の方々が、日本の食文化の豊かさを評価しているということ。私はそんな日本の食文化を、未来に向けて維持、発展させていくようなことに携わりたいと思っていました」

加藤は2021年4月、“食”に特化した事業承継プラットフォーム「まん福ホールディングス(HD)」を立ち上げた。COOには元ゼンショー取締役の小池正樹が就任したほか、飲食業界でキャリアを積んだ“おじさん”が揃う、自称「おじさんスタートアップ」だ。
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初年度で経常利益を2500万円改善


まん福HDでは、事業承継を望んでいながらも後継者がいない中小企業の事業を受け継ぎ、グループ傘下に入れて経営している。

第一号案件として手掛けたのは、神奈川県に本社を構える創業60周年の仕出し屋「ちがさき濱田屋」だ。コロナ禍で後継者不足に悩んでいたことからまん福HDが事業承継し、リブランディングを手掛けた。加藤らは、同社の店舗戦略の再構築だけでなく、新商品の開発も推進。一方で店名や県内に展開していた計6店舗、従業員は残す形を選択した。

その結果、承継後5カ月で迎えた決算では、経常利益を2500万円改善。既存の6店舗の売上は120%を超え、新たに3店舗のオープンも決まった。



2021年9月、事業承継後に新たにオープンした「ちがさき濱田屋MARK IS みなとみらい店」

加藤によると、リブランディングのキーワードは「うまい」だ。まん福HDのミッションにも「『うまい』でこの国をしあわせ一杯に」と掲げているが、その背景には、スシローの経営改革時の経験がある。
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文=三ツ井香菜 取材・編集=田中友梨

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