ライフスタイル

2022.04.05 08:30

医師が教える、「汗の量」をサウナから出る基準にしてはいけない理由


体感を目安にするなら、背中の真ん中が温まった時


手や顔が熱くなってくると、「全身が温まった」と思うかもしれませんが、実はそれは誤りです。

人間が感覚を得るために持っているセンサーは、手と顔が最も敏感です。脳にある感覚野の領域も、手と顔が多くの領域を占めています。

そのため、特に遠赤外線ヒーターがあるサウナの場合、ヒーターが当たる体の前面である手や顔が最も熱くなります。けれども、実際にはそれ以外の部分はまだ熱くなっていません。 もし、全身が温まったかどうかを大まかにチェックするなら、手や顔ではなく、背中の真ん中のあたりに意識を集中してみてください。

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Getty Images

実はここは、深部体温をセンサーできる場所なのです。

背中の真ん中あたりというのは、言い換えると、「風邪を引いた時に悪寒がするところ」です。そもそも、風邪を引いた時に背中がブルっとするのは、脳が設定しているセットポイント(体の健康を守るために設定された温度)が関係しています。

風邪を引くと、脳がセットポイントを上げます。いつもは36〜37度くらいなのがウィルスを退治するために38〜39度くらいに変更されるということです。すると、脳は現在の体温が、セットポイントに達しているかを測るため、センサーを働かせます。そのセンサーが、背中の真ん中あたりにあります。そして、その時に体温がセットポイントに達していないと、ブルっと悪寒がするというわけです。

もし、「顔が熱くて耐えられない」という場合は、濡れタオルで顔を覆ってみてください。タオルは、水で絞ってもお湯で絞っても、どちらでもかまいません。こんなに違うのかというくらい温度の感じ方が変わります。もう一つ裏技として、ヒーターに背を向けて座るというのもアリです。そうすると、体の背面もしっかり温めることができます。

いずれにしても、無理はせず、体調が悪くなったと感じた時にはすぐに出るようにしてください。


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