また、昨年はゲイツ夫妻とともに2006年から同財団の理事を務めてきた著名投資家ウォーレン・バフェットも辞任。これまで理事3人の体制だったことから、財団は組織の混乱もうわさされていた。
新たに理事となった4人のうち3人は、慈善活動において幅広いつながりを持つ以下の人たち。
・ジンバブエの通信企業を率いるビリオネアのストライブ・マシイーワ
・ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのミノーシュ・シャフィク学長
・非営利団体ブリッジスパン・グループの共同創設者トム・ティアニー
そしてもう一人は、2007年からゲイツ財団で働き、2020年からCEOを務めるマーク・サズマンだ。
理事会は今後、さらに3人を任命し、合わせて9人からなる体制とする可能性もあるという。理事の任期は3年で、連続で務めるのは2期までとなる。
ゲイツと離婚したフレンチ・ゲイツは、今後も引き続き共同で財団の議長を務めることが発表されている。ただ、フレンチ・ゲイツがその継続について困難だと判断すれば、2023年半ばに辞任する可能性もあるという。また、それについてはゲイツも合意しているとのこと。
ゲイツは新たな理事の任命について、発表した声明で、「彼らの幅広い経験と専門知識は、課題の複雑さに取り組む私たちの能力に、多大な影響を与えるでしょう」と述べている。
一方、フレンチ・ゲイツは、次のようにコメントしている。
「理事会の新たなメンバーは、すべての人々のために、より健康的で安全な、より平等な世界を促進するための私たちの努力において、財団とそのパートナーを支援する、力強く、適任のリーダーたちです」
外部からの理事の任命は、創設者夫妻の離婚後、財団のリーダーシップに関して浮上していた懸念を鎮めることが目的とされる。だが、これが財団の日々の業務に影響を与えることになるかどうかは不明だ。
ゲイツ財団は、2020年に総額58億ドル(約6700億円)を寄付し、創設から同年末までの寄付額が合わせて601億ドルにのぼったことを発表している。