ビジネス

2022.02.01

「シビックタイプR」を売りまくる、栃木の「F1店長」とは?

2020年1月9日にベルギーのブリュッセルで開催されたブリュッセルエキスポで展示されたホンダシビックType-R (Sjoerd van der Wal / Getty Images)

日本で、6900万人以上が利用していると言われているYouTube。ユーチューバーは今や、子どもの憧れの職業になるほどの人気ぶりだ。だが、一般企業で、YouTubeを活用して実際の売上につなげられている事例は、どれほどあるだろうか。

一部の有名企業を除いて、多くの会社のチャンネルは文字通り、「閑古鳥が泣いている」状態ではないだろうか。

そんななか、企業人ユーチューバーとしてひときわ輝いているのが、栃木県大田原市にある「ホンダカーズ野崎」だ。どこにでもありそうなディーラーだが、YouTubeの力で中古車販売台数を2倍にした。

日本国内だけでなく海外からもお客さんがやってくるようになり、2021年には「Google Japan社が選ぶ、日本のユーチューバー100人」にも選ばれた。

F1のエンジン設計士からディーラーに


ホンダカーズ野崎がある地域はそもそも人口が少なく、周辺の土地は半分ほどが田んぼ。週末に新規来店が0人ということも珍しくはなかった。

「2019年3月に『YouTubeがこれから流行するらしい』と聞き、軽い気持ちで始めました。それが今では毎日、YouTube経由での問い合わせが来るようになっています」

こう語るのは、店長の松本正美。家業のホンダディーラーに戻る前は、F1の無限チームでエンジン設計を手がけていた。その経歴を活かして、YouTubeでは「F1店長」として自ら出演。動画制作においても、企画から編集までのすべてを取り仕切っている。

ホンダカーズ野崎のチャンネル登録者数は5万6000人あまり(2022年1月現在)と、有名ユーチューバーと比べて、決して多いわけではない。それでも「実際にビジネスに結びつく」成果を挙げられているのは、何故だろうか。

YouTube制作、3つのポイント


「ビジネスでYouTubeを活用するなら、人気ユーチューバーの真似をすべきではありません。というのも、ユーチューバーは広告で稼ぎますが、私たちがYouTubeを使う目的は集客。彼らとは目的が根本的に異なります」

では、YouTubeを集客に結びつけるためには、どのように動画をつくるのか。松本店長は3つのポイントを心がけなくてはならないという。
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文=下矢一良

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