Face IDの登録・リセットは、初期設定をスキップして後から行うこともできる。iPhoneの「設定」アプリを立ち上げて、「Face IDとパスコード」を選択した中の画面に該当のメニューがある。日常2本以上のメガネを使い分けている方は、「メガネを追加」しておきたい。
日常メガネを着けている場合は、メガネを着脱したそれぞれの状態で顔画像を登録する
「視線」を外すと解除できにくい
セットアップの完了後、一般的な不織布マスクを着けてiPhoneの画面ロックを解除してみた。画面をタップして点灯させた後、いつものように下から上に向かって画面をスワイプアップすると速やかにロックが解除された。
あまりに何事もなくロックが解除されるので不安になったが、iPhoneの画面にはFace IDが正しく動作していることを知らせる南京錠のアイコンとFace IDの文字が表示された。App Storeでのアプリの購入認証も、マスクを着けたまま難なくできた。
画面を下から上向きにスワイプアップすると、カギのアイコンとFace IDの文字が表示され、素速くロックが解除される
「設定」アプリの画面には、マスク着用時にもFace IDを正しく動作させるために必要ないくつかの注意事項がある。まず、ユーザーはFace IDを使用する瞬間にiPhoneの画面を注視しなければならない。わざと視線を外して試したところ、確かに画面のロック解除はできなかった。サングラスも注視検出の邪魔になるため、正しく動作しない場合があるようだ。
寒い冬には首にマフラーなどの防寒具を巻いて外出したり、音楽リスニングにもヘッドホンを使う機会が増える。それぞれを装着した状態でもFace ID認証は成功した。要はユーザーの視線と、目の周辺がiPhoneのフロントカメラで読み取れれば動作に問題はなさそうだ。
他人が解除できてしまう確率は?
マスクを装着したまま、iPhoneのロックを解除できる機能は2021年の春に公開された「iOS 14.5」以降から、watchOS 7.4を搭載するApple Watchを併用する形で先に実現している。
本機能の場合、それぞれのデバイスが近接していれば、ユーザーがサングラスを身に着けていてもロック解除が行える。その代わりに、家族など周囲にいる誰かがiPhoneのロックを解除できてしまうことも指摘されていた。
現在もApple Watchを使ったiPhoneのロック解除機能が使える
iPhoneの画面を注視する必要があるiOS 15.4のアップデートは、プライバシー保護の観点からも進化を遂げたと言えるだろう。何よりApple Watchを所有していないiPhoneユーザーには大きな朗報だ。