ビジネス

2022.01.31 08:30

メディアをM&A、銀行と業務提携 多方面のアライアンスを実現できる理由|PR TIMES 山口拓己 #3


戦わず「無敵」になる


──国内No.1シェアを誇るプラットフォームを作り上げた秘訣をお聞かせください。

たしかに私たちは営業現場においては「プレスリリース業界シェアNo.1」という表現を使いますが、戦略を考えるときには全く別のことを考えています。プレスリリースやPR業界という枠で自分たちを定義していないんです。

常に自分たちで市場と顧客を新しく定義し、その中で事業展開してきました。負ける戦いもしないし勝てる戦いすらしないで、戦わずして勝ち続ける「無敵」を目指すことばかり考えているのです。

だからこそ、「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」という弊社のミッションは、従来のPRの枠組みにとらわれない発想から生まれています。



──PR会社ベクトルの子会社という立場でありながら、非常に大きな視座を持って事業運営されているのですね。

実は、唯一戦っていたとすると、親会社の「ベクトル」には挑んでいました。

私は当初ベクトルの取締役という立場で、PR会社の事業やサービスの理解が深まるにつれて、本当に属人的な業務の多さに驚かされました。

この属人的な業務を「作業代行・アウトソーシング」と「コンサルティング・プランニング・クリエイティブ」の2つにわけるとすると、前者の「作業代行・アウトソーシング」に関してはインターネットやソフトウェアを活用して置き換えられると考えました。

──結果的に、ベクトルさんもいまやPRのみにとらわれない、幅広い事業を展開されています。

これはPR TIMESがIPOするときによく言っていたことですが、「ベクトルとPR TIMESのシナジー」は事業のすみ分けではありません。私たちがPR会社の属人的な業務を代替していくことで、ベクトルがさらに高付加価値のサービスにシフトできるということです。

私は現在、ベクトルのサービスを詳しく知る立場にありませんが、開示資料などを見るとあきらかに客単価が向上しています。ということは、付加価値も上がっている証です。
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文=平重 克樹 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc. 編集=露原直人

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