グーグルやアップル、マイクロソフト、メタは、それぞれ自社のVR/ARヘッドセットを手ごろな価格で売り出して消費者の間で普及させようと、激しい競争を繰り広げている。もっともメタバースは、メガネ型など頭部に装着する機器を使わなくても、参加したり楽しんだりできるかもしれない。
メタバースをめぐっては、ザッカーバーグやメタが自分たちの仮想現実を所有しているかのように思っている人もいるかもしれないが、実際はそうではない。メタバースはインターネットと同じように、広く開かれたものだ。起業家のなかには、大胆にも、すでにメタバース内で不動産を建てたり買ったりしている人もいる。カナダの企業トークンズ・ドットコムのアンドルー・キーガル最高経営責任者(CEO)は、3D世界のプラットフォーム「ディセントラランド」で250万ドル(約2億9000万円)ほどのバーチャル不動産を購入したそうだ。ディセントラランドでの購入は、ブロックチェーン「イーサリアム」のトークンを用いて行われる。
仮想空間でゲームをしたり、つくったアイテムや施設などを取引したりできるメタバースを運営するザ・サンドボックスの共同創業者セバスチャン・ボルジェ最高執行責任者(COO)は、ディセントラランドには「デジタル国家」のような印象を受けると話す。ちなみにザ・サンドボックスは先ごろ、ソフトバンクグループの「ビジョン・ファンド2」が主導する資金調達ラウンドで9300万ドル(約110億円)を集めている。
メタバースの世界を十分に体験できるように、ビッグテック勢はヘッドセットをはじめとする機器も用意している。メタの「オキュラス・クエスト2」は、300〜400ドル(約3万4000〜4万6000円)という手に届きやすい価格帯のVRヘッドセットのひとつで、使い勝手も良好だ。