中国当局は、パンデミックについて伝えるジャーナリストの取り締まりも強化してきた。政府の対策について報じたことで身柄を拘束された人が、少なくとも10人いることがわかっている。
ただ、中国についてはデータの信頼性に関する疑念がある一方で、「感染者を早期に発見できることが、死亡を防ぐことに役立っているのではないか」との指摘もある。呼吸器疾患が専門の北京朝陽病院のある医師は、オーストラリアの公共放送局ABCに対し、匿名で次のように語っている。
「新型コロナウイルスの検査を中国と同じ早さ、同じ規模で行うことができる国は、他にはありません。つまり、非常に早い段階で感染が発見され、速やかに医学的介入が開始されているということです」
感染力がさらに強まった変異株、オミクロン株が優勢になる中でも、中国は断固として、ゼロコロナ戦略を堅持する構えだ。
北京五輪へ「バブル方式」を強化
開幕が間近に迫った北京冬季五輪には、多くの外国人アスリートが出場する。これは、中国の「ゼロコロナ」戦略に最大の課題を突き付けることになるかもしれない。
対策として中国は、大会に出場する選手・関係者と国民の接触を遮断する「バブル方式」を強化している。ただ、このバブルの中で感染者が急増した場合、どのように対応する計画であるかについては、明らかにされていない。