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2022.01.28

ヘッジファンドのパーシング・スクエア、Netflix株を大量購入

ウィリアム・アックマン(Bryan Bedder/Getty Images for The New York Times)

ヘッジファンドのパーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントの創業者でCEOのウィリアム・アックマンは1月25日、先週の決算発表後に株価が急落したネットフリックスの株式310万株を購入したことを明らかにした。

これにより、パーシング・スクエアはネットフリックスの株主の上位20位以内に入ったという。

ネットフリックスの株価は20日の決算発表後の5日間で30%も急落し、現在は359.70ドルをつけている。年初来の下落幅はモデルナを上回る40.3%で、S&P500の今年のワーストパフォーマンス銘柄となっている。

しかし、アックマンの発表を受けてネットフリックスの株価は時間外で4.9%上昇した。パーシング・スクエアは、金利ヘッジで得た約12億5000万ドル(約1430億円)の資金を用い、ネットフリックスの株を購入したという。

ネットフリックスは、パンデミックの初期に自宅にこもる人が急増したことの恩恵を受けて会員数を急増させたが、最近は加入者数の伸びの鈍化に直面している。2021年第4四半期の世界の会員数の伸びは828万人で、前年同期比で8.9%の増加となったが、2020年第4四半期に記録した前年同期比21.9%の増加と比較すると、伸び率は急激に縮小した。

ブルームバーグによると、20日の決算発表の直後に少なくとも9社がネットフリックス株の評価を引き下げている。マッコーリーのアナリストのティム・ノーレンは、ネットフリックスはDisney+やアマゾンプライム、HBOマックスなどのサービスとの競争の激化に直面していると指摘した。

アックマンは25日の投資家向けのレターで、「我々は、消費者として、また投資家として、ネットフリックスを大いに賞賛してきた」と記している。彼は、ネットフリックスの非常に優れた点として、先日値上げをおこなった「サブスクリプションの収益」や「業界をリードするコンテンツ」、「大幅なマージンの拡大」、「フリーキャッシュフローのプロファイルの改善」などを挙げている。

フォーブスは、アックマンの保有資産を31億ドルと試算しており、彼は米国で368番目の富豪となっている。2004年にパーシング・スクエアを設立した彼は、酒類メーカーのフォーチュン・ブランズや製薬会社のアラガン、鉄道会社のカナディアンパシフィックなどへの投資を成功させてきた。

編集=上田裕資

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