期待感と喪失感が交差? 50代キャリーたちが紡ぐ「SATC新章」の注目点

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世界的ヒットを記録したドラマシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ」のリブート版「セックス・アンド・ザ・シティ新章(原題『And Just Like That...』)」の配信が日本でも開始されました。

ファン待望の続編は、ニューヨークのマンハッタンを舞台に、50代になったシリーズの人気キャラクターであるキャリー、ミランダ、シャーロットたちの現在の姿を描いたもの。

ファンの期待が高まるなか、十数年ぶりにアップデートされた内容の一部は物議を醸してもいます。人気ドラマシリーズの新章が見られるという「期待感」と、前作とは違うという「喪失感」、評価が分かれるレジェンドコンテンツの復活は、成功と呼べるものでしょうか。

冒頭から期待感と喪失感が交錯


オリジナルの「セックス・アンド・ザ・シティ(以下SATC)」は1998年から2004年にかけて全米の有料プレミアムチャンネルHBOで放送され、シーズン6まで続いた世界的な大ヒットシリーズです。シーズン6の放送終了後も、2作の映画版もつくられました。

オリジナルのSATCは、キャリー、ミランダ、シャーロット、サマンサ、4人の30代独身女性たちのキャリアから友情、ファッション、セックスライフまで、本音で迫る内容に共感が集まり、多くのファンを獲得しました。

また名実ともに「レジェンド級」と言うに相応しい受賞歴もあります。ドラマ界のアカデミー賞と称されるエミー賞で50回以上ノミネートされ、コメディ部門で作品賞や衣装賞を受賞し、キャリー役のサラ・ジェシカ・パーカーは主演女優賞、ミランダ役のシンシア・ニクソンは助演女優賞を受賞しています。

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ミランダ役のシンシア・ニクソン(c)2021 WarnerMedia Direct, LLC. All Rights Reserved. HBO Max™ is used under license.

なお、シャーロット役のクリスティン・デイヴィスはエミー賞でノミネートされるも助演女優賞を逃していますが、映画版の演技でラジー賞(ゴールデン・ラズベリー賞/最低主演女優賞)を獲得。愛すべきキャラクターである証拠と言えるでしょう。

2010年の映画「SATC2」から11年の時を経てアメリカで配信されたのが、今回の「And Just Like That...(原題)」。日本ではHBOと提携する動画配信サービスU-NEXTで、本国配信から数週間遅れの2021年12月29日から独占配信されています(毎週水曜日に1話ずつ更新中)。

邦題は『セックス・アンド・ザ・シティ 新章』。第1話は、いつものようにニューヨーカー御用達の雰囲気漂うレストランでキャリー、ミランダ、シャーロットの3人がブランチをするシーンから始まります。しかし、この冒頭からファンの間では期待感と喪失感が交錯するという声が挙がりました。
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文=長谷川朋子

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