世界のNFTアーティストが「メタ」の支配を警戒する理由

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OpenSeaの月間取扱高は40億ドルを突破


NFTの取引高は、セレブリティやファッションブランドの参入が増加したことで急増し、Dune Analyticsのデータによると、世界最大の取引プラットフォームであるOpenSeaの月間取扱高は、2022年1月に過去最大の40億ドルを突破した。

ブロックチェーンの専門家でラトガース・ビジネススクールのフィンテック教授でもあるメラヴ・オゼア(Merav Ozair)は、分散型のアート販売は「フェイスブックのような企業に馴染まない」と言う。オゼアは、メタがメタバースで人々の動きを追跡することを計画し、アートの価格操作を行おうとしていると述べた。

NFT取引を追跡するプラットフォームnonfungible.comの共同設立者でプレジデントのダン・ケリーは、メタの市場への参入について「注意深く懐疑的に見ている」と述べている。しかし、ケリーは、メタの動きがWeb3コミュニティをさらに正当化するもので、より収益性の高い市場にする可能性があることも認識している。

しかし、クリエイターの間では、プライバシーに関する懸念も広がっている。彼らは、ケンブリッジ・アナリティカ事件のようなデータスキャンダルが発生することを危惧している。

「クリプトアーティストにとってプライバシーと匿名性を保つことは本当に重要だ」と、イタリアの山中で活動している2人組の匿名アーティストのHackataoは述べている。大胆なメッセージや裸体を含むアート作品で知られるHackataoは、自分たちの作品がメタのプラットフォームで検閲され、禁止されることも危惧している。

編集=上田裕資

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