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2022.01.28 07:00

顧客を「次のステージの橋渡し」へ。りそなホールディングスのSDGs経営の秘訣

りそなホールディングス 取締役兼代表執行役社長 南昌宏

「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」とは、自社だけの持続可能性にとどまらない。顧客の新しい付加価値創造に伴走することを掲げる、トップが語るこれからの経営とは。


「女性活躍」ランキング5位、「長期的コミットメント」2位のりそなホールディングス(以下、りそなHD)。大手金融機関のなかではESG、SDGsへの積極的な取り組みが目立つ存在だ。「2030年SDGs達成に向けたコミットメント」を18年に策定、21年6月には30年度を目標とした「サステナビリティ長期目標」を掲げた。その先進性の原点はどこにあるのだろうか。

東京メトロ東西線の木場駅に近い、りそなHDの本社8階。代表執行役社長である南昌宏をはじめとする社内の取締役が執務するフロアは、個室はおろか間仕切りもない長方形の執務空間に机が並んでいて、各人がほかの取締役の動きが見える。コミュニケーションの風通しはきわめてよさそうだ。

「誰と会って何を話しているか、どんな懸案を抱えているかなど、ひと目でわかるんです」と、南が説明する。役員会議にもなれば十数人を超える首脳・幹部がずらりと並ぶ、従来の「大手金融機関のイメージ」からは程遠い。

りそなHDには社外取締役が女性2人を含めて6人いる。それぞれが分担して「指名委員会」「報酬委員会」「監査委員会」の委員長や委員を務める。その出身母体も様々だ。金融機関の出身者以外に流通大手や自動車メーカーのトップ経験者、大手就職情報誌の元編集長、元キャリア官僚らで構成される。

りそなHDは2003年、日本の銀行界で初の指名委員会等設置会社となった。03年といえば経営再建に向け約2兆円の公的資金が注入された年だ。以来、各分野で百戦錬磨の経験をもつボードメンバーが多角的に意見を出し合い、りそなHDの経営にガバナンスを効かせてきた。南も指名委員会での審議を経て20年に代表執行役社長に指名された。

「これからの世の中に新しい価値を生み出すもののひとつが『ダイバーシティ』でしょう。人それぞれに異なる視点、価値観、知恵を取り込むからこそ、新しいイノベーションが起こる。それを我々のお客さまがつくり出せるよう伴走していくのが、これからの金融機関の役目だと確信しています」

りそなHDは21年に役員(執行役員含む)の女性比率は19.2%あり、グループ6社のライン管理職の女性比率は約30%にのぼる。30年度をターゲットとした「サステナビリティ長期目標」では、女性比率を役員で30%以上、ライン管理職で40%以上にするという。
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文=三河主門 写真=鷲崎浩太朗

この記事は 「Forbes JAPAN No.087 2021年11月号(2021/9/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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