ビジネス

2022.01.29 17:00

リチャード・ブランソンの背中を追え! 人生を謳歌するリーダーシップ

Forbes JAPAN編集部

各界のCEOが読むべき一冊をすすめるForbes JAPAN本誌の連載、「CEO’S BOOKSHELF」。今回は、ミダスキャピタル代表取締役 吉村英毅が『ヴァージン──僕は世界を変えていく』を紹介する。


実業家リチャード・ブランソン。

最近では、アマゾン・ドット・コムを創業したジェフ・ベゾスよりも先に宇宙旅行を成功させ、地球へ帰還したときの歓喜している姿を思い浮かべる人も多いでしょう。あのやんちゃな笑顔は、「やりたいことをやり続けてきた」彼の人生そのもの。リチャード・ブランソンは、自由かつエキサイティングな起業家の代表です。

彼の起業家としてのスタートは、17歳でした。まずは、雑誌を立ち上げ、中古レコード販売やレコードレーベルへとビジネスを拡大。航空産業に参入してからも、鉄道会社や金融業、旅行、フィットネスなど、正に多種多様なビジネスを世界中で展開し、ヴァージングループという強力なブランドをグローバルに築きあげました。

私が彼に興味をもち続けているのは、ブランド付与型のプライベートエクイティファンドという新しいモデルで多くのビジネスを成功に導いたことや、私生活でもエキサイティングな挑戦を繰り返し、一度しかない人生を謳歌しているように見えること、さらに、気候変動対策やエイズ撲滅基金など、積極的な社会貢献活動でも素晴らしいリーダーシップを発揮していることが理由です。

ヴァージングループが存在することで、顧客や従業員、クライアント、株主それぞれに唯一無二の価値を生み出すだけでなく、グループ全体の収益の中から、直接的な社会貢献に多額の資金を投下し続けているということが、とても価値あることだと感じています。

私たちが2017年に創業したミダスキャピタルには、さまざまなビジネスモデルをもつ企業が参画し、いわば、多業種を有するビジョン共感型の企業群を形成しています。

現在、このミダス企業群の時価総額の合計は2000億円ほどですが、この企業群全体の時価総額を、2024年までに1兆円、30年に10兆円、40年には100兆円に到達させることを目指し、日々努力を重ねています。グループが大きくなればなるだけ、社会に与える影響も大きくなるため、その責任もしっかりと担っていく覚悟です。

ヴァージングループは、極めて特殊な企業グループですが、私たちミダスキャピタルが目指したい姿の一部を実現しているグループです。また、リチャード・ブランソン自身のどんな時でもその過程を最大限楽しむという姿勢にも、本書を読み返す度に感銘を受けています。

数えきれないほど存在している起業家の自叙伝の中で、楽しく読めて、勇気を貰える1冊、また、人生・ビジネスに対する姿勢も勉強になる1冊ではないかと思っています。

title/ヴァージン──僕は世界を変えていく
author/リチャード・ブランソン
data/TBSブリタニカ 1980円/648ページ


リチャード・ブランソン◎1950年、イギリス生まれ。ヴァージングループ会長。67年に雑誌を創刊し、翌年にはレコード事業に着手。スターを次々と世に送り出し、84年には、航空事業を開始。旅行・飲食・通信などにも参画しコングロマリットとなる。近年は宇宙事業でも注目を集める。

よしむら・ひでき
◎1982年生まれ。2007年エアトリを共同創業し代表取締役社長に就任。16年にエアトリを東証マザーズ、17年に東証1部上場。同年、ミダスキャピタルを創業し、BuySell Technologiesを買収。同社取締役会長に就任。19年に東証マザーズ上場。

構成=内田まさみ

この記事は 「Forbes JAPAN No.089 2022年1月号(2021/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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