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2022.01.25 16:30

米メンタルヘルス新興企業、過食動画でインスタ広告規則に違反

Alexey Dulin / EyeEm / Getty Images

Alexey Dulin / EyeEm / Getty Images

その動画に登場する若い女性は、ベッドに座り、トースターペストリー(パン菓子)を食べている。画面が切り替わると、彼女はポップコーンやポテトチップ、ドーナツ、その他のたくさんの食べ物を前に、ドーナツをほおばっている。

テロップには、「衝動的に生きる人は、衝動で食べる」との一文が表示され、動画は次に、「肥満は成人期注意欠陥多動障害(成人期ADHD)の人に、およそ5倍多くみられる」と指摘。「私たちは、衝動的な行動習慣を変えるためのツールと、適切な投薬治療を提供できる」と語りかける。その後の画面では、同じ女性が笑顔でサラダを食べている──。

インスタグラムには昨年12月から、オンラインでメンタルヘルス関連のサービスを提供する米国のスタートアップ、セレブラル(Cerebral)の広告として、この動画が多数、掲載されていた。

だが、インスタグラムはフォーブスの取材に対して先ごろ、セレブラルが「摂食障害やボディイメージに関するインスタグラムの方針に違反した」として、この広告の掲載を停止したことを認めた。インスタグラムを運営するメタの広報担当者は、次のように説明している。

「同社の広告は当社のポリシーに違反していたため、掲載を停止しました。健康関連の商品を宣伝することを目的に、否定的な自己認識を持たせようとするようなコンテンツを掲載することは、認めていません」

フォーブスはセレブラルにもコメントを求めたが、今のところ返答は得られていない。

2020年創業のセレブラルはこれまでに、メンタルヘルスの問題に悩む20万人以上にセラピーや薬による治療などのサービスを提供してきた。ソフトバンクグループのビジョン・ファンド2が主導した昨年12月の資金調達ラウンドでは、3億ドル(約340億円)を調達。評価額は48億ドルとなっている。

だが、実際のところ、同社は昨夏以降、雇用していた数百人のセラピストたちに契約どおりの給料を支払わず、医療保険などの提供も停止していたことなども明らかになっている。
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編集=木内涼子

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