「当社は、2021年だけでも28種類の新たな製品を発売し、イノベーションを進めた。少量ロットで生産するナチュラルなワイン・スプリッツァーもその一つだ」と、モーゼズは語る。「缶入りのカクテル系飲料カテゴリーの成長には目を見張るものがある。2022年も、さらに新たなブランドを市場に投入する予定であり、大いに期待をかけている。そのすべてがオーガニックな原材料を使用し、過剰に砂糖を添加していないものだ」
フライング・エンバーズのすべての製品を貫くのは、「ベター・フォー・ユー」というポリシーだ。これは、ノンアルコールおよび低度数のアルコール飲料カテゴリーの成長を大きく後押ししている、健康を重視する意識変化を反映したものだ。
このカテゴリーの主要な特性としては、糖分の添加を抑えた、あるいはまったく行わない製品や低アルコール度数の飲料に加え、ビタミンやミネラル、食物繊維、プロバイオティクス、アダプトゲン(抗ストレス作用を持つ天然成分)といった体に良いとされる成分を含む製品が挙げられる。
(ただしここで一つ、注意を促しておきたいことがある。市販のアルコール飲料がどれだけ健康に良いとうたっていても、本当の意味で体に良いかというと、そんなことは絶対にないという点だ。アルコールが体に有害な物質であることには変わりがないからだ)
「過去数年にわたり、特にコロナ禍の時期に入って以降は、自分の体に取り入れるものに対する消費者の意識が格段に高まった。いまどきの愛飲家は、バズワード以上のものを探しており、味や利便性を犠牲にすることなく、安心できる原材料で作られた製品を求めている」とモーゼズは語る。
フライング・エンバーズをはじめとする「ベター・フォー・ユー」カテゴリーの製品は、意識の高い愛飲家たちのニーズに応え、アルコール飲料と、健康・ウェルネス志向の飲み物の「いいとこ取り」を狙っている。今回、投資家からの資金を得たことで、こうした製品はこの夏、小売店の商品棚を独占すべく着々と態勢を整えつつあるようだ。