アジアと米国において、バーバリーの高級衣料品・バッグの売上が急増していることが、パンデミックからの業績回復のけん引力になっている。同社によれば、12月25日までの第3四半期で、定価販売の売上高はパンデミック前と比べて26%増加し、前期比で10%の伸びを記録したという。
バーバリーの第3四半期売上は、既存店売上高が3%減少したにもかかわらず、売上全体では前年同期比5%増の9億8600万ドルとなった。バーバリーは、業績好調の大きな要因として、スニーカー、トレードマークのレインコートやバッグなどの定価販売のアイテムやアウターの売上増を挙げている。
同社は、通期の利益について、前年比35%増の6億8200万ドルに達すると予想した。この見通しは、19%増の6億4400万ドルとされていたそれまでの英国金融界のアナリスト予想を上回っている。
バーバリーによれば、定価販売の既存店売上高は、2年前の同期と比べて26%増加したという。一方、同時期の既存店売上高は、3%減と若干減少している。バーバリーはこれについて、値下げ販売を計画的に減らしたためと説明している。
同社は、利益の順調な伸びの一因として、デザイナーのリカルド・ティッシが手がける製品が若い消費者を引きつけていることを挙げた。
アジアでの売上急増
アジアにおけるバーバリーのアパレルとアクセサリーの第3四半期売上は、2年前(パンデミック前)と比べて22%増加。コート、パファージャケット(ダウンジャケット)、各種バージョンのローラバッグの好調な売上に支えられ、5%増だった第2四半期からさらに勢いづいた。
対照的に、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)の売上は、2年前と比べて4%減少した。この減少は主に、国際的な観光客の数が減ったことに起因する。こうした国際的な観光客は、パンデミック前はバーバリー売上の40%を占めていた。
欧州の主要市場、とりわけイタリア、フランス、英国の高級品売上が、中国やロシア、中東から来る買い物客に支えられていたことを考えれば、今回のバーバリーの数字は驚くほど堅調と言えそうだ。
実際、前四半期は27%と激減していたので、今回の4%減少という数値は小幅であり、劇的な改善だ。ジュリー・ブラウン最高執行責任者(COO)は、バーバリーの新しいイメージが、欧州で地元の買い物客を引きつけている証拠だと述べた。