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2022.01.25

ボブ・ディランの全録音をソニーが買収、「230億円」と報道

ボブ・ディラン(Getty Images)

ソニー・ミュージックエンタテインメントは1月24日、ボブ・ディランがこれまで録音した全楽曲と「今後リリースされる複数の新作」の権利を取得したと発表した。

ビルボードによると、2021年7月に確定したこの取引には、1962年以降のディランの39枚のスタジオアルバムと16枚の「ブートレグ」が含まれており、今後の作品の再発の権利も含まれているという。

ソニー側は支払額を明らかにしていないが、匿名の関係者がVarietyに語ったところによると、ソニーは1億5000万ドルから2億ドル(約228億円)を支払った模様だ。ビルボードはこれらのカタログに2億ドル以上の価値があり、年間1600万ドルの収益を上げていると報じている。

ディランは、2020年12月に自身の全楽曲の著作権を、2億5000万ドルから3億ドルと噂される金額でユニバーサル・ミュージックに売却していた。著作権の所有者は、ストリーミング配信やアルバム販売、広告や映画での使用などの際に、使用料を受け取れる。

一方、今回の取引で楽曲の権利を入手したソニー・ミュージックなどの録音物の権利所有者は、作品の再出版の権利を持つことになる。

ここ数年、音楽界のレジェンドたちが、過去のカタログを現金化するケースが相次いでいる。4月には、ポール・サイモンの楽曲カタログが2億5000万ドルでソニーに売却されたほか、2週間前には、デビッド・ボウイの全音楽カタログがワーナー・チャペル・ミュージックに2億5千万ドル以上で売却されたことが報じられた。スティービー・ニックスやニール・ヤングもカタログの持ち分を売却している。

ローリングストーン誌によると、パンデミックの影響でツアーができなったアーティストが売却に踏み切る事例もあるという。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、近年は、フィットネスアプリなどで古い楽曲の利用が増え、その価値が上昇したこともこの傾向を後押ししているという。

編集=上田裕資

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