シンプルな単語パズル「ワードル」が米国を席巻した理由

Alexi Rosenfeld/Getty Images

私は数週間前、ツイッターのフィードに、緑や黒の小さな正方形が並んだ奇妙なボックスが流れてきたのに気づいた。図形以外には、「198 4/6」という数字と「Wordle(ワードル)」という単語しか書かれていない。その時はあまり気に留めず、読み飛ばしてフィードをスクロールし続けた。

翌日、似たようなボックスがまたいくつか現れたが、前日とは数字が違っていた。ネット文化について普段から私に教えてくれている娘が大学から帰宅したので、「ワードル」という言葉に聞き覚えがあるかどうか尋ねてみたが、「聞いたことがない」とのこと。私は「単語ゲームの一種みたいだ」と答え、娘と一緒に調べてみることにした。

その日を境に私たちは、家族全員でワードルにのめり込むこととなった。ツイッター上では以降、人々が自分の日々の成果をシェアする投稿が溢れている。こんなにもシンプルなゲームの人気が急速に高まった理由は、何だろうか?

ワードルは5文字からなる単語を6手以内に当てるゲームだ。入力できるのは実在する単語のみ。外れると、5文字のうち、文字も位置も合っているものは緑色で、文字は合っているが場所が違うものは黄色で表示される。スコアの数字は、「211」が第211回目の単語、「4/6」が6手中4手でクリアしたという意味になる。単語は毎日変わり、1日1回のみ挑戦できる。

ワードルについては、人気の秘密や、火が付いたきっかけ、模倣ゲームが次々と誕生している状況、派生ゲーム制作のポテンシャルについてなど、さまざまなことが語られている。今後は、他言語への対応、ゲーム番組、関連本、ボードゲームに展開されていくことだろう。米国人の心をここまで捉えた単語ゲームは、「スクラブル」以来だ。

しかし、数文字の単語を6手以内に推測するだけのゲームを、なぜこんなに多くの人が試し、継続し、自分のささやかな成功を皆に共有する投稿を行っているのか?
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編集=遠藤宗生

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