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2022.01.26

宇宙でも美味しいイチゴが食べられる? 東大発の「受粉ロボット」とは

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HarvestXを立ち上げた市川友貴


──この一年でどのような成果がありましたか。

2021年4月に東大内にイチゴの植物工場をつくり、自社で検証できる環境を持つことができたのが大きいです。農業プロジェクトで一番大変なのは、自分たちでいかに検証できる環境を備えるか、というところなので。



そこからデータ収集を加速させて、新たに実証試験機である「XV1」、植物工場に特化した「XV2」と、2台のロボットを開発しています。ちなみに「XV(15)」は“イチゴ”にかけた名前です(笑)。


自動受粉・収穫ロボット「XV2」

環境を整備できたことで、自社内での検証実験下ではありますが、ミツバチと比べても、高い受粉精度が検出できるようになっています。ロボット使う方が収穫量が上がることが証明できたことは、とても大きな成果でした。

最近は食品メーカーなどからの問い合わせも多くなっています。大手企業の研究開発部でも、やはり受粉の自動化がネックになっているようで。そのような話はなかなか表に出てこないですが、起業したことで新たなニーズを知る機会も増え、販売に向けて参考にさせていただいています。

──今後の展望を教えてください。

今は植物工場の運営会社向けにロボットを開発していますが、他社の栽培設備と当社のロボットをセットにして、全自動栽培のパッケージを製品化して提供していきたいです。同時に、メロンやトマトなどの他の品種にも対応できるロボットの開発も進めていきます。

そして、ゆくゆくは海外をメイン市場にしていきたい。日本は甘く柔らかいイチゴが多いですが、海外は気候の関係ですっぱくて固くなってしまいがちです。海外の市場には商機があると感じています。

僕の夢は、宇宙でも全自動栽培ができるようになること。実は、JAXAによる宇宙での栽培計画の中には、イチゴが入っています。そこで、受粉をシステム化することで、宇宙空間での栽培に貢献できたらいいなと思っています。

地上から宇宙まで、どこでも美味しい果物が供給できるよう、挑戦を続けていきたいです。


*市川さんは、1月29日(土)よる9時55分〜放送のテレビ朝日『発進!ミライクリエイター』に出演予定。

文=西崎圭一 取材・編集=田中友梨 撮影=小田駿一

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