Forbesの定義では、メタバースとは、実世界とデジタル世界がぶつかる場だ。そこではVRや拡張現実(AR)が、実世界とバーチャルのギャップを橋渡しすることで、人々が親密に交流することが可能だ。
では、こうしたメタバースが、ナイキにどう影響するのだろうか。
ナイキは2021年12月、ファッションに特化したバーチャルスニーカー企業RTFKT(アーティファクト)を買収。小売部門にメタバース思考を取り入れ始めた。これによりナイキは、実物のスニーカーを製造するコストをかけることなく、サンプルを生産できるようになった。
バーチャルサンプルの実現で、同社はスニーカーのルックスを広く提供できるようになるため、損益計算書における販売コストは抑えられるだろう。エキサイティングな先進的思考であり、こうした傾向はまもなく加速していくだろう。
加えて、ナイキは先日、仮想世界「ナイキランド」をオープンさせた。eコマースプラットフォームのブレイニアック・コマース(Brainiac Commerce)が開発したものだ。
ブレイニアックのプラットフォームは、テクノロジー志向の小売業者やブランドに向けて、商品購入につながるトラフィックを拡大するための「フル・マネージドな」ソリューションを提供している。ベンダー/パートナーからの強力なサポートにより、将来の成長が期待されている。
ナイキはナイキランドにおいて、ロブロックスと提携し、顧客にさらなるイノベーションと興奮をもたらす世界構築をおこなっている。ロブロックスは、若者たちのためのオンライン体験プラットフォームの構築を目指すテクノロジー企業だ。ロブロックスのプラットフォームでは、ゲームのプログラミングをしたり、他のユーザーがつくったゲームをプレイしたりできる。
こうした試みはナイキにとって重要だ。すでに若者たちのあいだでナイキは人気ブランドだが、顧客とブランドのあいだにゲームを通じて楽しく密接なつながりを築くことができれば、関係をさらに強化できるからだ。同社は、実際の売上につながるメタバースを作ろうとしているのだ。