ビジネス

2022.01.24 16:30

ナイキも参入したメタバース、ビジネスにはどう貢献するのか


ビジネス・オブ・ファッションは、ファッション業界がメタバースに進出するにあたり、どんな人材を採用するべきかを問いかけている。Web3.0やNFT(ノンファンジブル・トークン)といった注目のカテゴリーへの参入を考えるブランドは、人材獲得に関して長期的視点をもつ必要がある。

メタバース展開を支える人材を採用したいブランドは、何よりもまず、それには新たなスキルセットが必要であり、こうしたスキルの習得はテクノロジーそのものと同じくらい複雑であることを理解しておく必要がある。

ブランド各社は、現在の従業員に新たなスキルの習得を促しつつ、テクノロジーやエンジニアリングを担う役職に求める専門性の幅を広げるべきだ。場合によっては、卒業して間もない若者の採用や、関連業界の若手プロフェッショナルの引き抜きが有効かもしれない。

米国の高級衣料品ブランド、トミー・ヒルフィガーは3年前、2022年末までにすべてのアパレル製品のデザインを3D化する計画を発表した。彼らは、独自の3Dデザインの開発を担う社内インキュベーター「スティッチ(Stitch)」を立ち上げた。スムーズな移行のためにクリエイティブチームが維持されたが、このような先進的思考のおかげで、ブランドは生まれ変わった。

私たちは新世界の入口にいる。メタバースは、実物生産の必要性を減らし、デザインチームに新たな表現ツールを提供し、さまざまな形でビジネスのやり方を変えるだろう。

チームの構築には、新たなテクノロジーを理解する人材が必要だ。革新的思考を尊重するスペシャリストが欠かせない。

新たなコンセプトを実現するために、どの企業にもインキュベーターが必要というわけではないが、ナイキやトミー・ヒルフィガーの先進的な取り組みは、小売業界が未来を築くための重要なステップと位置づけられる。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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