ビジネス

2022.01.24

ナイキも参入したメタバース、ビジネスにはどう貢献するのか

Costfoto/Barcroft Media via Getty Images

メタバースは、仮想現実(VR)や複合現実(Mixed Reality:MR)、動画などの複数のテクノロジー要素が融合したものであり、ユーザーがデジタル世界のなかで「生きる」ことを可能にする。

Forbesの定義では、メタバースとは、実世界とデジタル世界がぶつかる場だ。そこではVRや拡張現実(AR)が、実世界とバーチャルのギャップを橋渡しすることで、人々が親密に交流することが可能だ。

では、こうしたメタバースが、ナイキにどう影響するのだろうか。

ナイキは2021年12月、ファッションに特化したバーチャルスニーカー企業RTFKT(アーティファクト)を買収。小売部門にメタバース思考を取り入れ始めた。これによりナイキは、実物のスニーカーを製造するコストをかけることなく、サンプルを生産できるようになった。

バーチャルサンプルの実現で、同社はスニーカーのルックスを広く提供できるようになるため、損益計算書における販売コストは抑えられるだろう。エキサイティングな先進的思考であり、こうした傾向はまもなく加速していくだろう。

加えて、ナイキは先日、仮想世界「ナイキランド」をオープンさせた。eコマースプラットフォームのブレイニアック・コマース(Brainiac Commerce)が開発したものだ。

ブレイニアックのプラットフォームは、テクノロジー志向の小売業者やブランドに向けて、商品購入につながるトラフィックを拡大するための「フル・マネージドな」ソリューションを提供している。ベンダー/パートナーからの強力なサポートにより、将来の成長が期待されている。

ナイキはナイキランドにおいて、ロブロックスと提携し、顧客にさらなるイノベーションと興奮をもたらす世界構築をおこなっている。ロブロックスは、若者たちのためのオンライン体験プラットフォームの構築を目指すテクノロジー企業だ。ロブロックスのプラットフォームでは、ゲームのプログラミングをしたり、他のユーザーがつくったゲームをプレイしたりできる。

こうした試みはナイキにとって重要だ。すでに若者たちのあいだでナイキは人気ブランドだが、顧客とブランドのあいだにゲームを通じて楽しく密接なつながりを築くことができれば、関係をさらに強化できるからだ。同社は、実際の売上につながるメタバースを作ろうとしているのだ。
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翻訳=的場知之/ガリレオ

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